オレンジの花が美しい「ヤブカンゾウ(藪萱草)」は、ツルボラン科ワスレグサ属の多年草です。
中国原産で、国内では本州以南に分布し、野原や藪に群生が見られます。
花はオレンジ色で、漏斗形のユリの特徴を持ち、花弁が重なった八重咲きになります。
今回は、「ヤブカンゾウ」の花言葉について解説します。
「ヤブカンゾウ(藪萱草)」の花言葉
「悲しみを忘れる」「愛の忘却」「一夜の恋」「順応性」などがあります。
良い意味と悪い意味が混じるため、贈る時は相手の事をよく見極めましょう。
「悲しみを忘れる」
属名にもなっていますが、「ヤブカンゾウ」には「ワスレグサ(忘れ草)」という別名が付いています。
これは1日でしぼむ「ヤブカンゾウ」の花を、消えて行く記憶に喩えたものです。
別の由来としては、「食べるとおいしくて他の事を忘れる」「花が美しくて他の事を忘れる」などがあります。
味についてはなかなかおいしいのですが、姿の似た毒草「キツネノカミソリ」があるので素人判断で食べてはいけません。
近い意味で「憂いを忘れる」という花言葉も付いています。
何か悲しい事があった人へ贈るのに向く花言葉です。
但し、「悲しい事もまた、大事な思い出」と思う人もいるので、相手に合わせましょう。
「愛の忘却」
やはりワスレグサから付いた花言葉です。
「愛を忘れた」とするとかなり深刻な意味になるため、誰かに贈るのは難しい言葉になります。
趣味の対象が変わった親しい友人など、冗談を言い合える相手なら向きます。
一方、「愛情から、敢えて忘れる」とするなら、比較的ポジティブな意味になるでしょう。
配偶者や恋人と喧嘩した後の仲直りなどに使えます。
「一夜の恋」
1日花の性質から、1日で燃え上がり夜に結ばれるけれど、翌朝には今までの生活に戻る、という短い恋のイメージで付いた花言葉です。
現実では、余程の遊び人でもない限り合いません。
創作で短い恋愛を盛り上げるため、描写に採り入れる事はできます。
「順応性」
花が美しく、食べてもおいしく、生薬としても薬効があるなど、利用幅が広い事からついた花言葉です。
一方、ワスレグサのイメージから、辛い事があってもさっさと切り替える順応性の高さと結びつけても意味が合います。
環境の変化や、担当部署の変更などにもすぐに順応できる、能力の高い人へ贈るのに向く花言葉です。
この花言葉が合わないのは、馴染むのが遅いけれど、一旦定着すると高いパフォーマンスを発揮する人です。
それもまた強みなので、無理な事をさせる必要はありません。
ごく幼い子供へ、教育の一環として贈るなら問題ないでしょう。
「ヤブカンゾウ(藪萱草)」の豆知識
「ヤブカンゾウ」は、音の響きから「カンゾウ(甘草)」と聞き間違える事もありますが、特に関係はありません。
「萱草」は、葉がイネ科の「萱(カヤ)」に似て細長い事から付いたものです。
一方「甘草」は根茎に甘味成分が含まれる事から付いたもので、全く違います。
まとめ
「ヤブカンゾウ」は豪華で美しい花です。
花言葉を知れば、より趣深く鑑賞できるでしょう。
花を多面的に見せてくれる花言葉を、是非参考にして下さい。