緻密な形が特徴的な「パッションフラワー」は、トケイソウ科トケイソウ属(パッソフロラ属)の蔓性の熱帯植物です。
熱帯アメリカ、アジア、オーストラリアに分布が見られます。
花は複雑な形で、まず10枚の花弁に見える部分が5枚の花弁と5枚の萼片です。
内側に「副花冠」という糸状の花弁で構成された放射状の円が1つでき、その中央に柱が立ち、太い5本の雄しべ、最前面に3本の細い雌しべがつきます。
水平に見ると、4段構造です。
花色は白、ピンク、紫、赤、黄色で、花期は種類によるばらつきがありますが、5月から10月です。
今回は、「パッションフラワー」の花言葉について解説します。
「パッションフラワー」の花言葉
「聖なる愛」「信仰」「宗教的熱情」「情熱的に生きる」といいます。
宗教色の強い言葉が揃いますが、「ザ・パッション」が、「イエス・キリストの受難」を表すキリスト教用語である事に由来します。
相手の信仰によっては、合わない場合があるので、気を付けましょう。
「聖なる愛」
イエス・キリストの愛を表す花言葉です。
この花を「ザ・パッション」に結びつけた理由は見た目によります。
雌しべの部分を磔にされたイエス、副花冠を後光に喩えたのです。
尚、熱帯アメリカ原産なので、イエスと直接の関連はありません。
イエスの処刑は、人類の原罪を洗い流す、大きく神聖な愛という事で、この花言葉に結び付きます。
人間の愛にそれほどのものがあるか、というと難しいものです。
神の愛は大きく広いものですが、人間は本質的には手の届く隣人までしか愛せません。
この狭く、それ故に深い愛情を貫くなら、そこには神聖の一端も生じるでしょう。
「信仰」
より直接的な花言葉がこちらです。
信心深い人へ贈るのに向きます。
この花言葉が合わないのは、無宗教を固く貫く人より、曖昧な人。
つまり、多くの日本人にはあまりしっくり来ません。
宗教に類するような、強い信条を持つ人には合うでしょう。
「宗教的熱情」
イエスの「ザ・パッション」は固有の表現ですが、一般名詞のパッションは「情熱」という意味になります。
駄洒落のようなものと思えば良いでしょう。
信心深く熱烈な人へ贈るのに向きます。
秘めた宗教的情熱を持つ人にも合いますが、秘めているので、あなたのが気付くのは難しいでしょう。
創作で、キャラクタのイメージに使うなら合います。
「情熱的に生きる」
宗教の部分を切り離した花言葉です。
情熱的に生きるとは何か、と問われると難しいものです。
常に暑苦しく騒ぐというだけではないでしょう。
何かしら熱意を傾けるものがあり、そこがぶれずに続けられた時、「情熱的に生きた」と思えるのです。
従って、過去を振り返った時、真っ直ぐ熱心だった人へ贈るのに向きます。
これから情熱をもって生きようと考え、自分の部屋に飾るのも良いでしょう。
「パッションフラワー」の豆知識
「パッションフラワー」には「トケイソウ(時計草)」の別名も付いています。
これは、副花冠を文字盤に、雌しべを長針、短針、秒針に喩えたものです。
同じパッションが付く植物に「パッションフルーツ」がありますが、同属の「クダモノトケイソウ」「オオミノトケイソウ」「ミズレモン」などから採れる果実の事です。
鑑賞用の「パッションフラワー」の場合、実は滅多にできず、食用にも向きません。
まとめ
「パッションフラワー」は複雑で美しい花です。
花言葉を知れば、飾った人の気持ちも感じられるでしょう。
花を通じ、人の心にも触れられる、花言葉を是非心に留め置いて下さい。