「クサノオウ」という花をご存じですか。
「タムシグサ」や「チドメグサ」、「白屈菜」とさまざまな別名を持つ花で、ケシ科クサノオウ属の越年草です。
日本、朝鮮、中国、ロシア原産で、日当たりのよい土手や畦道に4月から7月頃にかけてヤマブキに似た鮮やかな黄色の花を咲かせます。
今回はそんな「クサノオウ」の花言葉について、詳しく見ていきましょう。
「クサノオウ」の花言葉「思い出」
「クサノオウ」の花言葉ひとつめは「思い出」です。
「クサノオウ」かつては皮膚病や虫刺されなどの民間治療薬として用いられていました。
痛かったり痒かったりした「思い出」に強く結び付いた花であり、また身近にいつでも咲いている親しさからこの花言葉が付きました。
現在では毒性の強さからかぶれなどのトラブルを引き起こすため、肌につけることは推奨されていません。
「クサノオウ」の花言葉「私を見つけて」
「クサノオウ」の学名は「Chelidonium」、ギリシャ語で「ツバメ」を意味する言葉です。
言い伝えでは母ツバメはこの草の汁で子ツバメの目を洗い、視力を良くしたと言われており、そこからこの学名が採られました。
視力を良くする花として「私を見つけて」という花言葉が与えられましたが、実はこの花の汁は有毒。
くれぐれも目を洗ったりしないでください。
「クサノオウ」の花言葉「枯れた望み」
「クサノオウ」にはまた「枯れた望み」という花言葉もあります。
「クサノオウ」は古くは胃がんなどの内臓疾患の痛み止めとして使われていました。
外科的な医療技術を望むべくもない時代、治る見込みのない患者に与える最後の慰めのような存在だったに違いありません。
「クサノオウ」の鮮やかな黄色をみかけたら、この花が背負っていたそんな歴史を思い出してみてください。
「クサノオウ」の名前の由来
「クサノオウ」の名前の由来にはさまざまな説があります。
ひとつが「茎や葉に傷がつくと黄を帯びた乳白色の汁が流れるため『草の黄(おう)』になったという説。
ふたつめは、皮膚の病気に効くから『瘡(くさ)の王』となった説。
みっつめは、さまざまな病気に効く薬草の王さまだから『草の王』と付いた説。
どの説も「クサノオウ」が古くより人々の生活に寄り添って存在していたことがうかがえます。
まとめ
「クサノオウ」は薬にもなりますが、草の汁には有毒アルカロイド成分が含まれており、皮膚につけるとただれてしまう毒草の面もあります。
その効果はアルセーヌ・ルパンの変装技術にも使われたほど。
手折ってプレゼントするのは危険なので、自然の中で風に揺れる「クサノオウ」を目で見ることで楽しんでくださいね。