「ベロニカ」はある1つの植物を指すものではなく、多様な姿形や性質を持つ品種群を指す言葉です。
その多くはオオバコ科ベロニカ属(ゴマノハグサ科とされることもある)の宿根草(耐寒性多年草)に分類されます。
品種の数は全部で300ほどであると言われているうえ、開花期や花の色、花の姿などが品種によって違ってくることもあり、その全てについて解説することは到底不可能ですが、「ベロニカ」は大きく3つのグループに分けることが可能です。
ひとつは「立ち上がり、花を穂のように付けるもの」、もうひとつは「地を這い、小さな花を付けるもの」、最後は「そのどちらにも当てはまらないもの」。
「ベロニカ」のうち、最も代表的なものが「立ち上がり、花を穂のように付けるもの」のグループで、代表的な品種は「ロンギフォリア(セイヨウトラノオ)」や「スピカータ」です。
サイズは20〜80cmほどとまちまちで、花の色は青や青紫、紫などが主。
単に「ベロニカ」と言った場合、このどちらかを指すことが多いです。
一方、「地を這い、小さな花を付けるもの」の中で代表的なものは「オックスフォードブルー」や「ペドゥンクラリス」。
特に「オックスフォードブルー」は市場でよく見られるもののひとつで、寒い時期には紅葉するという特徴があります。
またどちらのグループにも当てはまらないものとして主なものは「トウテイラン」など。
「トウテイラン」は日本特産の「ベロニカ」で、葉が白っぽくなるなどの特徴を持ちます。
品種によって用途は異なるものの、「ベロニカ」は園芸分野において非常に人気で、特にボーダーガーデンや洋風の庭ではその姿を頻繁に見ることができるでしょう。
また「ベロニカ」は主に青系の花を付けるので「ピンクのベロニカ」は少しマイナーですが、「ロンギフォリア・ピンクシェード」「ミセスホルト」「ファーストラブ」などの品種はピンクの花を付けます。
「ピンクのベロニカ」の花言葉
「ベロニカ」の花言葉は「忠実」「名誉」です。
また「ピンクのベロニカ」には「聖なるもの」という花言葉があります。
これらの由来はキリスト教の聖女ベロニカです。
聖女ベロニカは十字架を背負いゴルゴタの丘へと向かうキリストを哀れみ、ヴェールを差し出したことで知られています。
また聖女ベロニカは「ベロニカ」の名前の由来にもなりました。
「聖なるもの」という花言葉は日本においては使いづらいものかもしれませんが、「忠実」や「名誉」は比較的無難であると言えます。
他の多くの花のように恋愛関係に用いるよりは、ビジネス関係の方が良いでしょう。
「ピンクのベロニカ」の豆知識
「ベロニカ」の原産地はヨーロッパであると言われています。
丈夫さや好む環境などは品種によって異なりますが、耐寒性、耐暑性共に強いものが多く、育てやすいものが大半です。
特に「ロンギフォリア」「スピカータ」「オックスフォードブルー」といったお店でよく見かけられるものは丈夫で、初心者でも安心。
日当たりや水はけが良い環境を用意してあげるとベストです。
ちなみに雑草でありながら美しい花を咲かせることで知られるオオイヌフグリ(学名:Veronica persica)は、実は「ベロニカ」の仲間であり、その花は「オックスフォードブルー」のものと似ています。
まとめ
「ピンクのベロニカ」の花言葉は「聖なるもの」で、「ベロニカ」の花言葉は「忠実」「名誉」です。
「聖なるもの」は使い所が難しいですが、「忠実」「名誉」はビジネス関係で使えるでしょう。