「ネナシカズラ(根無葛)」は、ヒルガオ科「ネナシカズラ」属の一年草です。
海外では中国、朝鮮半島、台湾、ベトナム、国内では全国に分布し、日当たりの良い山野で、他の草木に巻き付き寄生根から養分を吸収します。
花は3. 5mmほどの大きさの白い鐘型で、花期は8月から10月です。
今回は、「ネナシカズラ」の花言葉について解説します。
「ネナシカズラ(根無葛)」の花言葉
「下賤」といいます。
時代劇で「下賤の輩」という表現がありますが、つまり「身分が低く賤しいもの」という意味になります。
酷い言葉ですが、自分で丹精込めて育てた庭の草木に巻き付かれ、弱らせられるとそうも言いたくなるのでしょう。
自力で身体を支える事も、光合成して養分する事もできず、宿主の栄養を奪い、酷い場合は枯らし、時に「ネナシカズラ」同士で寄生し合う事もあります。
また「根無」は、「根無し草」という言い方もあるように、決まった住処がない人、つまりどこの共同体に属していないアウトローな人物に使います。
身分制度がある共同体において、アウトローの身分は「余所者」で、最下層かそれに近い扱いになります。
これらの性質から付いた花言葉です。
冗談でも人間に使ってはいけません。
使う側の品性を問われます。
創作で、キャラクタのイメージや出自の伏線などに使う事は出来ます。
意地悪キャラの嫌がらせの一環に含めるのも良いでしょう。
「ネナシカズラ(根無葛)」の豆知識
「ネナシカズラ」は、「根無」と「葛」に分けられます。
根がない、蔓性の植物である事を意味します。
実際に根がないかというと、生え始めた時には根があり、寄生主が見つかると本来の根は枯れて消えます。
寄生するための寄生根はあるので、全く根がない訳ではありませんが、蔓を辿っても土に繋がっていないため、「根無」という表現は直観に合います。
「ネナシカズラ」は寄生植物ですが、同じように根無しに見える「着生ラン」などの「エアプランツ」は、「着生植物」と呼びます。
住処として宿主を必要としますが、栄養は依存しておらず、くっついているだけです。
見分け方としては、光合成のための葉緑素の有無、つまり緑色かがポイントになります。
着生植物が栄養を奪わないと言っても、日陰にはなるため、結果的に宿主を弱らせてしまう場合もあるので、気を付けましょう。
まとめ
「ネナシカズラ」は一風変わった生き方をする植物です。
花言葉を知り、興味を深めれば、更にユニークな性質に触れる事が出来るでしょう。
植物との距離を近づけてくれる、花言葉を是非参考にして下さい。