複雑で美しい花を咲かせる「トリカブト(鳥兜)」は、キンポウゲ科「トリカブト」属の総称です。
北半球の温帯域全般に分布し、低山の沢など湿気の多い場所を好みます。
花色は白から紫、黄色などがあり、花期は7月から10月です。
今回は、「トリカブト」の花言葉について解説します。
「トリカブト(鳥兜)」の花言葉
「騎士道」「栄光」「人嫌い」があります。
贈り物にもお祝いにも向く良い意味の言葉が付いています。
一方、お見舞いや失敗した人を慰める時などには向きません。
「騎士道」
「トリカブト」の花が、兜をかぶった人の顔のように見えた事から、これを武装した騎士に見立てた花言葉です。
騎士道精神を厳密に考えると、古い価値観や偏った宗教心になりますが、ここでは大雑把に紳士的な好ましい振る舞いと考えれば良いでしょう。
正義感が強く人に優しい友人や恋人に贈るのに向きます。
行動規範を示すものとして、大学に植えるのも良いでしょう。
「トリカブト」を生けて、誇りある行動を心がけるのにも役立ちます。
「栄光」
こちらも騎士のイメージから付いた花言葉です。
騎士の栄光は、聖ベルナールがテンプル騎士団へ宛てた書簡で、「キリスト教の為に戦う事」を指して使った表現にありますが、意味が狭過ぎるので、ここでは一般的な意味で使います。
学業や仕事で人から讃えられるような業績を上げた友人や子供に対して贈るのに向きます。
出産後の配偶者にも良いでしょう。
この花言葉が合わないのは、小さな成功をした人です。
あまり大袈裟に褒めると、そこが頂点のようで、気分が落ち込ませる事になります。
「人嫌い」
毒草としての性質から付いた花言葉です。
人嫌いと言っても、「トリカブト」の毒が人間に限定して効く訳ではありません。
人に煩わされる事を好まない友人などに贈るのに向きます。
お一人様向け飲食店のディスプレイにも使えます。
この花言葉が合わないのは、嫌われたくなくて積極的に振る舞えないだけの人です。
見極めないと、誤ったレッテル張りをする事になります。
「トリカブト(鳥兜)」の豆知識
「ドクゼリ」「ドクウツギ」と並び、日本三大毒草に数えられる「トリカブト」は、昔から毒草として知られています。
狂言『附子』の中でも「触れた風に当たっても死ぬ程の猛毒」として扱われています。
勿論、実際にはそんな毒ガスのような性質はなく、中毒で受診した患者数も、年間10件に満たず、死亡者も10年期間で数名です。
「トリカブト」が鑑賞用として流通している事から考えれば、非常に少ない数で、怖がりすぎる必要はありません。
危険な毒草とされる植物は、類似する食用植物があるものですが、「トリカブト」もニリンソウやヨモギと類似しています。
味や茎の形など見分けるポイントもありますが、成長段階によっては必ずしもはっきり差が現れると限らず、混ざって生えている可能性もあるため、「疑わしきは遠ざける」を前提に扱いましょう。
まとめ
「トリカブト」は色鮮やかな美しい花です。
花言葉を知り、興味を持てば、より詳しくその性質に触れる事が出来るでしょう。
植物との距離を縮めてくれる花言葉を、是非参考にして下さい。