「ツルアジサイ」はアジサイ科アジサイ属のつる性落葉低木です。
その名の通りつるを伸ばして他の木や岩に絡み付くという性質を持っています。
またアジサイらしく半球状のふわっとした花を咲かせることも特徴の1つ。
ただし一般的にイメージされるアジサイの花とは少し様子が違います。
アジサイの花は4つの花びらを持つ美しい色合いのものと想像されがちですが、あれは実は装飾花と呼ばれるもので、花の機能として肝心な生殖機能はありません。
代わりにその美しい姿をアピールすることで虫を引き寄せ、両性花の受粉を助けるものだと言われています。
一方で両性花には生殖機能はありますが、装飾花のような派手さはありません。
そして一般的なアジサイには両性花はほとんど無いか、まったく無いのが普通です。
装飾花が寄り集まって半球状になり、ブーケのような見事なものになります。
しかし挿し木や株分けといった方法で人間に増やしてもらえる普通のアジサイと違い、「ツルアジサイ」を含む野生のアジサイは花で増えないといけません。
よって「ツルアジサイ」の花は、あまり派手ではない半球状の両性花の集まりの周りを、いくつかの装飾花が囲んでいるといったような姿をしています。
普通のアジサイの花とはだいぶ異なる印象を持たれるかもしれませんが、これが本来のアジサイの姿なのです。
また花の色は白が普通で、開花期は6~7月となっています。
「ツルアジサイ」の花言葉
「ツルアジサイ」の花言葉は「強い愛情」です。
その由来については不明ですが、木や岩に力強く絡み付く様がこの花言葉をイメージさせた可能性があります。
また、アジサイと共通の花言葉を持つとされることもしばしばあるようです。
ちなみにアジサイの花言葉は「家族」「団らん」「和気あいあい」「移り気」「無常」など。
「家族」「団らん」「和気あいあい」は花が寄り集まって美しく咲く姿から来ています。
「移り気」「無常」は土や時期などによってその花の色が変わることからです。
これらの花言葉に鑑みるに、特定の誰かに贈るよりは家族全体に対する強い愛情を示したい時などに向いた花と言えるでしょう。
「ツルアジサイ」の豆知識
「ツルアジサイ」の若葉は食用とされています。
主な食べ方としては天ぷら、おひたし、和え物、味噌汁など。
また姿がよく似たアジサイ科の仲間である「イワガラミ」の若葉も同様に食用となります。
もし花が咲いていれば、「ツルアジサイ」の装飾花が4枚の花びらを持つように見えるのに対し、「イワガラミ」のそれは花びらが1枚だけであるように見えるのですぐに見分けられるでしょう。
なお装飾花の花びらに見える部分は、正確には萼(がく)と呼ばれる葉が変形してできたものです。
まとめ
「ツルアジサイ」はその名の通りつる性の植物で、アジサイの仲間でもあります。
その花は園芸用のアジサイと違い、派手さのない両性花が主。
よって一般的なアジサイの花とは大きく異なる印象がありますが、野生のアジサイは派手な装飾花を大量には付けないのが普通です。
花言葉は「強い愛情」。
その由来については不明ですが、木や岩に力強く絡み付く様は「なんとしてでも君を離さない」とでも言うような、力強く情熱的な愛情をイメージさせます。