大きな葉が美しい「タラヨウ(多羅葉)」は、モチノキ科モチノキ属の常緑樹です。
海外では、中国、朝鮮半島、国内では静岡以西から九州に分布し、山地に自生する他、寺院にしばしば植栽されます。
花色は淡黄緑色で、花期は4月から5月です。
今回は、「タラヨウ」の花言葉について解説します。
「タラヨウ(多羅葉)」の花言葉
「便り」といいます。
「タラヨウ」の葉は、裏面に傷を付けると黒く浮き上がるという性質があります。
これを利用し、文字を書く事が出来るのです。
これが葉書の由来ともされている事から、「郵便局の木」に定められています。
「便り」という花言葉は、そんな性質からついたものです。
久し振りに連絡を取る友人や家族に贈るのに向いています。
別れ行く友達に、たまには連絡を欲しいという願いを込めて贈っても良いでしょう。
レターセットの売り場ディスプレイや、メール送受信ソフトのデザインにも向きます。
何かしら便りを待つ時、スマホの待ち受けにして気を紛らわせるのも良いでしょう。
この花言葉が合わないのは、嫌な便りを受け取った事があり、手紙自体に悪いイメージが付いている人です。
そういう場合は、まず先に気分をほぐす働きかけをしましょう。
「タラヨウ(多羅葉)」の豆知識
文字が書ける事が特徴の「タラヨウ」の葉は、枯れた後も字が残るため、単なる遊びだけでなく、経文を書いたものも残っています。
そもそもタラヨウの名が、経文を書くのに使われた「バイタラヨウ」(貝多羅葉)と同じように、字を書く用途に使える事から付いたものです。
尚、バイタラヨウの語源は、サンスクリット語の「パッタラ」(木の葉)が変化したものです。
「バイタラヨウ」が便利と言っても所詮は葉ですから、大きさには限度があり、折りたたみも出来ず扱いは難しいものです。
「紙を使えば良いのに」と思うかも知れませんが、製造に手間がかかり材料となる植物も限定される紙は、発明後も長らく貴重で高価なものでした。
今でも、機械で量産出来る紙は安いですが、手漉き和紙はかなりの高級品です。
江戸時代になっても、「紙くず買い」という職業が成立し、徹底したリユースが行われる程度には重要な素材だったのです。
従って、「タラヨウ」が実用された事も不思議ではないのです。
「タラヨウ」の葉に文字が書けるメカニズムは、葉に含まれるタンニンの酸化とされています。
タラヨウの葉を傷付け、細胞に含まれるタンニンと、ポリフェノール活性酵素が混じり合う事で、直ちに発色するのです。
まとめ
「タラヨウ」は姿が美しく、葉も面白い木ですが、それと気にして見ないと見過ごしてしまうかも知れません。
花言葉を知っていれば、存在に気付き、不思議な性質を楽しむ事も出来るでしょう。
風景の解像度を増してくれる、花言葉を是非参考にして下さい。