「タチツボスミレ」はスミレ科スミレ属の多年草です。
日本において最も個体数の多いスミレであるとの説があるほど、国内の様々な場所で普通に見られるスミレであり、変種や近縁種も多く見られます。
また本種を単にスミレと呼ぶことも。
その可憐な花のイメージに反しとても丈夫な花で、草地、森林、道端、田んぼ、街の中、コンクリートの割れ目など様々な場所で見ることができます。
花のシーズンは3~5月。
花の色は淡い紫が最も多いですが、白やピンクのものもあります。
また白い花を付けるものをシロバナタチツボスミレ、ピンクの花を付けるものをサクラタチツボスミレと呼んで区別することも。
余談ですが名前がよく似ているツボスミレとは近縁ではなく、姿も似ていません。
「タチツボスミレ」の花言葉
「タチツボスミレ」の花言葉は「慎ましい幸福」「小さな幸せ」です。
これらは身近な場所でちょこんとかわいらしく咲く様から来ています。
この花を贈るのなら、何かのイベントや嬉しい転機といったタイミングでではなく、何でもない日常のひとときにおいてこそ贈りたいものです。
小さな幸せを大切にする人が最も幸せであると、古くから言い伝えられているのですから。
「タチツボスミレ」の豆知識
名前にあるツボ(坪)は、庭のことを指します。
庭にも生えるようなもので、かつ茎が立ち上がるのでこの名が付きました。
また本種やスミレには「相撲取り花(すもとりばな)」、「喧嘩花」などの別名があります。
これらはかつて子供たちが本種やスミレの花茎を絡めて引き合う遊びをしていたことから来ているそうです。
また次郎坊と呼ばれるジロボウエンゴサクとセットで「太郎坊(たろぼう)」と呼ばれることも。
このように多くの別名が付くほど昔から人との関わりが深かったゆえ、現代においても鉢植えや盆栽、花壇や庭、公園などで愛でられており、園芸品種も多数開発されています。
基本的には暑さにも寒さにも強く、日陰でも育つ強さを持っているのでまったくの初心者や子供でも非常に育てやすい種であると言えるでしょう。
とはいえ環境が気に入らないとさっさと種を作って飛ばして逃げる、気に入った場所には深く根を張るといった強かさを持っているので、深い鉢植えに植え、日向に置いてやるのが良いでしょう。
まとめ
「タチツボスミレ」は日本において最も個体数が多いと言われるスミレです。
人の手の入らない森から街の中まであらゆる場所において普通に見ることができるほか、各地の庭や公園、花壇などで栽培されてもいます。
極めて丈夫な花で、誰にとっても非常に育てやすい花の1つです。
花言葉は「慎ましい幸福」と「小さな幸せ」。
小さな幸せを大切にすることが幸せな人生への第一歩であると思い出させてくれる花です。