淡いクリーム色の小さい花を多く咲かせる「クマノミズキ」は、ミズキ科ミズキ属の落葉樹です。
本州、四国、九州、海外ではヒマラヤ以南に分布し、山地に自生します。
6月から7月が花期で、果期は10月です。
今回は「クマノミズキ」について解説します。
「クマノミズキ」の花言葉
「耐久力」といいます。
同じ属のミズキとも共通する花言葉です。
材としての耐久性と考えがちですが、少し由来が入り組んでいます。
元になった花言葉が、ハナミズキの「永続性」というものです。
ハナミズキの花は花弁(に見える総苞片)が4枚で、十字の形となっている事から、キリスト教のシンボルである十字架と結びつけられました。
キリストは永遠の命を持つ存在である事から、「永続性」という花言葉になったのです。
そして「永続性」を意味する英語「デュラビリティ」は、「耐久性」とも訳される事から、ハナミズキに「耐久性」という花言葉も付き、それがミズキ全般に広まったのです。
物事に動じず、安定したパフォーマンスを見せる友人や同僚に贈るのに向く花言葉です。
建築設計事務所のシンボルにしたり、靴下の商品イメージに使うのにも合います。
この花言葉が向いていないのは、身体が弱く病気がちな人です。
「これで自分が耐えられているように見えるのか」と機嫌を損ねてしまうでしょう。
「クマノミズキ」の豆知識
「クマノミズキ」は漢字で「熊野水木」と書きます。
「熊野」の「水木」となります。
ミズキ(水木)との見た目の差は小さいですが、花期が1ヶ月程度遅い事から見分ける事が出来ます。
「熊野」は三重県熊野地方産である事を指すのですが、クマノミズキが熊野の固有種という訳ではなく、他の土地でも見られます。
植物につく地名は、必ずしもその土地にしか存在しない訳ではなく、単に分類した植物学者が見つけた場所に過ぎない事も多いのです。
「水木」の方は、水を吸い上げる力が強く、春先に枝を切ると切り口から樹液が大量に滴り落ちる事から「水の木」の意味で付いた名です。
ミズキの樹液は無色透明なのですが、酵母が付くと海綿動物を思わせる鮮やかなオレンジ色の物体を形成する事があります。
まとめ
「クマノミズキ」の花は、はっと目を惹くような色とは言えません。
花言葉を知っていれば、それに気づき、楽しめるでしょう。
風景に色を足してくれる、花言葉を是非心に留め置いて下さい。