オオフサモはごく一部の県を除くほぼ全国(北海道・沖縄を含む)で見ることのできる水草の一種です。
水中の土に根を張って葉を水上に出す抽水植物の一種でもあり、小さな公園の池や沼などでは群生し水面を覆いつくしていることも珍しくはありません。
鳥の羽を思わせる細やかな葉の形からパロット・フェザー(オウムの羽の意)と呼ばれることも。
開花期は5~6月で、葉の付け根にとても小さな白い花を付けます。
「オオフサモ」の花言葉
オオフサモに花言葉はありません。
咲く場所が場所であるうえ、細い葉の1枚1枚が見えるくらいまで近づかないと花だとは分からないくらいに小さいこともあってか、そもそもオオフサモが花を付けること自体が知られていない状態です。
またその姿は派手な色彩や整った形の花びらなどがないこともあり、少し離れてみるだけであたかも貝や小魚の卵かのように見えてしまいます。
しかもこの花は、日本においては繁殖に全く寄与しません。
同じ抽水植物のカテゴリの中にも見事な花を咲かせるハスやミズバショウなどがあることに鑑みると、このようなオオフサモの花はかなり異質なものであると言えます。
一方、これは「メリットがほとんど無いにも関わらず、オオフサモは花を咲かせることを忘れていない」と見ることもできるでしょう。
あえて花言葉を付けるとするなら「消し得ぬ恋の火」、「潰えることのない希望」などが考えられます。
「オオフサモ」の豆知識
オオフサモの花が日本において繁殖に寄与しないのは、日本には雌株しか存在せず、花は全て雌花になるからです。
代わりにオオフサモは地下茎によって爆発的に増殖します。
かつてはその丈夫さや増殖の早さから水辺の緑化やアクアリウムなどに使われてきましたが、あまりに生命力が強いために今では特定外来生物(人や生態系、農林業などに深刻な影響を及ぼす外来種)に指定されてしまっている状態です。
よって今では法律によって販売、無許可の栽培、生きたままの運搬、譲渡などが禁止されており、また駆除の対象となることもよくありますが、見かけるチャンスはかなり多いでしょう。
余談ですが原産地はアマゾン川。
よって暖かい環境に強く、地球温暖化によりその勢力をより広げるのではないかと世界各地で考えられています。
まとめ
オオフサモはよくある水草の一種ですが、小さな花を付けることはあまり知られていません。
初夏にオオフサモを見かけたなら、ルーペを持って葉の付け根を調べてみるのも良いでしょう。
すると花が繁殖に寄与できない厳しい環境や、特定外来生物指定という人間による厄介者扱いにも負けず、小さな花を立派に咲かせていることが分かるはずです。