「ウスバサイシン」は、ウマノスズクサ科カンアオイ属の多年草です。
海外では中国、朝鮮半島、国内では関東以西の本州に分布し、山地の湿った林下に生育します。
花は花弁がなく、暗紫色の3枚の花弁のように見える部分は萼です。
花期は3月から5月です。
今回は、「ウスバサイシン」の花言葉について解説します。
「ウスバサイシン」の花言葉
「勇気」「追憶」といいます。
いずれも比較的良い意味の花言葉で、悪い意味もないため、贈り物に向きます。
「勇気」
生薬として薬効があり、整った体調は勇気の源になるところから付いた花言葉です。
日陰でも大きく立派な緑の葉を付けるところも意味が合います。
勇気は精神論のように扱われがちですが、何の根拠もなく取り組む事を意味するのではありません。
失敗した時を想像し、正しく恐れ、これを克服するために最大限努力し、それでも残る不確定な部分を乗り越えるため、もう一歩踏み出す心です。
恐れを無視し、無闇に突っ込むのは、困難を直視出来ない勇気に欠ける行動と言えるでしょう。
勇気ある行動で何事か成し遂げた人へ贈り、讃えるのに向く花言葉です。
「追憶」
山地に見られるところから、山地で遊び歩く幼少期や、山野で楽しんだ休日を追憶するイメージの花言葉です。
また、学名の「シーボルディ」は、ドイツの博物学者「フィルップ・フランツ・フォン・シーボルト」が元になっています。
彼が、祖国に帰った後も、日本を懐かしみ、ついに再来日した事も、「追憶」という花言葉と合います。
追憶とは過ぎた時間に思いを馳せる事ですが、そもそも記憶とは全て過去のもので、現在もごく近い過去に過ぎません。
つまり追憶は、それが何かしら切ない記憶だったとしても、振り返る余裕が出来ているという一点で、幸せな事とも言えるのです。
思い出を共有する人へ贈るのに向く花言葉です。
「ウスバサイシン」の豆知識
「ウスバサイシン」は「薄葉細辛」と書きます。
葉が薄く食べると辛い事が由来です。
根は「細辛」という名の生薬として利用され、解熱、鎮痛に薬効があるとされます。
古名で「ミラノネグサ(美良之禰久佐)」「ヒキノヒタイグサ(比岐乃比太比久佐)」との呼ばれ方もあります。
また、関東地方以北で見られ「ウスバサイシン」と同一視されてきた品種は、2007年に「トウゴクサイシン」として新種登録されています。
まとめ
「ウスバサイシン」は葉の美しい植物ですが、花は目立たず見過ごしてしまうかも知れません。
花言葉を知れば、存在に気付き、その艶やかな葉を楽しむ事もできるでしょう。
花を一層鮮やかに見せてくれる、花言葉を是非参考にして下さい。