イチョウはイチョウ科イチョウ属の落葉樹です。
銀杏、公孫樹、鴨脚樹などの文字をあてます。
街路樹や公園の他、寺社の境内で栽培されることも多い、日本人にとってお馴染みの木ですが、個人宅ではあまり植えられません。
雌雄の区別があり、雌の木だけが実をつけます。
実には独特の臭いがあり食用には向きませんが、その中の種子は銀杏(ギンナン)として様々な料理に用いられます。
今回はイチョウの花言葉について解説します。
「イチョウ」の花言葉
「長寿」「荘厳」「鎮魂」などが並びます。
悪い意味ではありませんが、かしこまった印象の強い花言葉なので、カジュアルな場面にでは少々大袈裟すぎて、違和感が出るでしょう。
「長寿」
イチョウが長生きする事から付けられた花言葉です。
1000年以上の寿命を持つのですが、日本に伝来したは室町時代辺りなので、日本にあるイチョウに関しては、挿し木でもない限りまだ若輩者という事になります。
また、イチョウは古生代のペルム紀頃(約3億年前)に発生し、ほとんど姿を変えない「生きた化石」である事も由来の1つでしょう。
長寿の祝いとして、イチョウの木で作られた細工や、絵の入った小物を贈るのも良いでしょう。
子供が生まれた時の記念樹として植えても良いかも知れません。
但し、イチョウは世代を超えて生き続ける為、植える場所には充分気を付ける必要があります。
「荘厳」
歳月を経たイチョウは、それ自体が荘厳な雰囲気を持つ事、寺社の境内など荘厳な場によく植えられる事などから付いた花言葉です。
会社などの雰囲気作りに向くでしょう。
もっとも、イチョウの葉は明るい緑で可愛らしい形をしており、秋には更に明るい黄色に色づく事から、若木のうちはむしろ軽やかで、荘厳とは言い難いイメージです。
それなりの時間の裏付けが欲しい花言葉です。
「鎮魂」
寺社の境内に植えられるイメージから、容易に想像出来るでしょう。
神社にお墓はありませんが、魂を慰めるために神として祀る事はあります。
この他に、もう1つ由来として中国の土家(トウチャ)族に伝わる、機織りが得意な娘のお話があります。
機織りが大変得意だった彼女は、花で布を織る事を思い付きました。
様々な花で素晴らしい布を作り続け、最後に最も美しいイチョウの花を使おうと考えました。
開花に立ち会えず、何度も出かける娘を、父親は「よからぬ事をしている、家の恥になる」と勘違いして殺しました。
死んだ娘の手には、ようやく咲いたイチョウの花がありました。
彼女の死を悼んだのか、以来イチョウが花を付ける事はなくなった、との事です。
こちらの話は現代の感覚と離れているので、あまり気にしなくても良いでしょう。
まとめ
イチョウは非常に身近で親しみやすい木です。
花言葉を知れば、植えられている意味合いへの理解も一層深まるでしょう。
ありふれた風景の解像度を上げる花言葉を、是非参考にして下さい。