アブラチャンはクスノキ科クロモジ属の落葉低木で、本州、四国、九州に分布します。
ユニークな名前のようですが、アブラチャンの「アブラ」はそのまま「油」を、「チャン」は「瀝青」つまりアスファルトやコールタールのような粘り気のある油を意味します。
木全体に油が多い事から、この名が付けられたのです。
燃料にしたり油を絞られるような利用がされましたが、とても可愛らしい花をつける木でもあります。
ここでは、アブラチャンの花言葉について解説します。
「アブラチャン」の花言葉
「はかない恋」です。
アブラチャンは、花言葉のイメージ通りに、黄色の小さく可愛らしい花が3~5個まとまって咲きます。
贈り物にしようと思うかも知れませんが、花言葉の意味を考えると、恋人相手には向きません。
「アブラチャン」の花言葉の由来
アブラチャンの花は、早春の3月~4月頃、桜などと同じように、葉が出るよりも前に花をつけます。
まだ葉の緑のない枯れ色の木々の間に、黄色い花がぽつぽつと咲き、辺りを彩っていくのです。
その少しずつ山野を染める様子が、恋の芽生えに例えられたのでしょう。
花は一時、咲き誇りますが、他の植物が勢いを増す晩春には、すっかり姿を消してしまいます。
その可憐で儚い様子が、叶わずに終わった恋を思わせる花言葉の由来となったのです。
「アブラチャン」の豆知識
アブラチャンの花が咲く姿は、同じクスノキ科のダンコウバイとよく似ています。
タンコウバイも、同じ時期に黄色い花をぽつぽつと付けるため、遠目にはそっくりに見えます。
ですが、近寄って見れば容易に見分けることが可能です。
見分け方のポイントとしては、まず花の付き方が挙げられます。
アブラチャンは花柄がありますが、ダンコウバイにはありません。
このため、ダンコウバイは枝から直接花が咲いているように見えます。
また、葉芽を見比べると、アブラチャンは先が尖っているのに対し、ダンコウバイはぽってりしている事が分かり、より簡単に見分ける事ができます。
まとめ
アブラチャンはとても可愛らしい花です。
花言葉を考えると恋人へのプレゼントには向きませんが、花への愛着は湧きそうです。
部屋に飾ったり、親しい友人への贈り物にするのならば、問題はありません。
花言葉を知り、花の新たな一面に気付く事で、花と接する楽しさも増していくでしょう。