オオバノヨツバ(オオバノヨツバムグラとも表記される)はアカネ科ヤエムグラ属の多年草です。
雑草としてよく見かけられるヤエムグラとは反対に、オオバノヨツバはめったに見られない貴重な種で、神奈川県や高知県では絶滅した種に、岡山県や鳥取県では絶滅危惧種に指定されています。
他地域での分布状況についてはあまり分かっていませんが、日本においては北海道や本州、四国の一部亜高山帯に分布すると考えられており、また海外ではサハリン近辺に分布しているようです。
花は先が4つに分かれた花びらが印象的な小さなもので、色は白~ピンク、花期は6~7月。
ヤエムグラの仲間のそれと似た雰囲気のものですが、生で見るのは簡単ではないでしょう。
「オオバノヨツバ」の花言葉
オオバノヨツバに花言葉はありません。
同じヤエムグラ属であるうえ、姿形や生態もある程度似ている仲間のヤエムグラは「抵抗」「たくましい生命力」などの花言葉を持ちますが、これはあまりオオバノヨツバには合わないでしょう。
一方、オオバノヨツバの分かりやすい特徴の1つに「十字の形に並んだ4つの葉」があります。
そして四つ葉のクローバーが幸運の象徴として知られているように、十字架のような4つの葉は主にキリスト教圏において「名声、富、愛、健康をもたらす」、「希望、信仰、愛、幸福をもたらす」などと考えられてきました。
よってオオバノヨツバの花言葉としては「満ち足りた生活」「平穏で幸せな人生」などが考えられるでしょう。
「オオバノヨツバ」の豆知識
オオバノヨツバはエゾノヨツバムグラの変種です。
こちらは亜高山~深山に生え、オオバノヨツバ同様4つの葉が十字の形に広がるのが特徴。
名前通り北海道に分布するほか、東北、関東、中部、四国の一部でも見られるようです。
また、ロシア、中国、韓国、カナダ、アメリカなどにも分布しているそうで、英語ではKamchatka bedstrawやBoreal bedstrawと呼ばれているとか。
Kamchatkaはカムチャッカ半島のカムチャッカ、borealは北方の、寒帯のといった意味を持っており、寒い場所に生えるものというイメージを持たれていることが伺えます。
またbedstrawははるか昔のベッド用の藁やヤエムグラの仲間を指す言葉なのだそうですが、今となってはこちらも貴重であるため、とてもベッドを作ることはできないでしょう。
ともあれエゾノヨツバムグラもオオバノヨツバも寒い場所を好む種であるため、温暖化でますます数を減らしてしまう可能性が考えられます。
まとめ
オオバノヨツバはオオバノヨツバムグラとも呼ばれるヤエムグラの仲間で、一部の亜高山帯に分布すると考えられています。
大きな特徴は名前にも表れているその葉。
四つ葉のクローバーと同じように大きな4つの葉が十字の形に並ぶ様は幸運の象徴と考えられており、平穏で幸せな人生を願うには良いと言えるでしょう。