フラワーアレンジメントや盆栽でも使われる「アイスランドモス」は、ハナゴケ科ハナゴケ属の地衣類です。
和名を「ミヤマハナゴケ(深山花苔)」と呼びます。
尚、ウメノキゴケ科の「エイランタイ(依蘭苔)」を「アイスランドゴケ」と呼ぶ事があり、しばしば混同されますが、ここでは「ミヤマハナゴケ」について扱います。
「アイスランドモス」は北半球の寒冷地に分布し、日本では中部地方以北の高山帯などに見られます。
地衣類(藻類と菌類の共存した生物)のため、花が咲く事はありません。
今回は、「アイスランドモス」の花言葉について解説します。
「アイスランドモス」の花言葉
「母性愛」「信頼」「物思い」といいます。
コケの花言葉と共通します。
コケとは、地面を覆う植物の総称で、植物の場合も地衣類の場合もあります。
いずれも良い意味のため、贈り物に向くでしょう。
「母性愛」
高山の地面を覆い、トナカイなどの餌になる事から付いた花言葉です。
他にほとんどの食べ物がない高山に生える「アイスランドモス」は、他の誰に見捨てられても最後まで残る母の愛情とよく似ています。
母の愛は、愛情の中でも別格のものと言えるでしょう。
命を受けた人間が、最初に受け取るのは母の愛です。
生まれて成長し、他の愛情が現れ消える事があっても残り、そして次に自分の子供へ与える側になるのです。
感謝を込め、母親へ贈るのに向きます。
子供へ、母親の愛情を伝える贈り物にしても良いでしょう。
「信頼」
「アイスランドモス」が地面に生え広がる様子を、人が寄り添い信頼を伝えている姿に喩えた花言葉です。
人の信頼は脆いものです。
信頼を寄せた間柄では、弱みを見せます。
弱い部分を壊すのは簡単な事です。
無論、弱みを見せ合う事で裏切りを防ぐ事は出来ますが、そこにあるのは信頼ではなく構造的な安心に過ぎません。
このように、脆い物が保たれているから、奇跡的で尊いのでしょう。
この曖昧な信頼というものが、人の繋がりを生み、個ではなく種として困難に立ち向かう力を与えているのです。
信頼出来る相手へ贈るのに向く花言葉です。
信頼して欲しい相手に贈ると意味は合いますが、「信頼してくれ」というのは、人を騙す時の常套句なので、信頼して欲しい時は言わない方が良いでしょう。
「物思い」
高山で静かに生きる「アイスランドモス」の姿を、人里離れ深山に棲む賢人に喩えた花言葉です。
物思う時間は大切です。
めまぐるしく動く中で、仕事は手なりに進め、疲労から休みは寝るばかり。
物思う時間がなくなっていきます。
人間、考えない方が幸せなのは確かです。
けれど考える事は、人間最大の娯楽です。
人は想像力で鳥よりも高く飛べました。
それで幸せになったかは、さして意味はありません。
部屋に飾り、物思いに耽るのも良いでしょう。
まとめ
「アイスランドモス」は、加工品の方を見かけやすい植物です。
花言葉を知れば、その野生の姿にも興味が向くでしょう。
植物を多面的に見せてくれる、花言葉を是非参考にして下さい。