「ボタンヅル(牡丹蔓)」はキンポウゲ科センニンソウ属のつる性植物です。
草本とされることも、落葉半低木とされることもあります。
なぜなら茎の基部が木質化するからです。
つるの長さは2~4mほどで、葉は一回三出複葉と呼ばれるもの。
これは葉柄の先が1回だけ3つに分かれ、その先に小葉が1つずつ付くといった形をしたものです。
つまり、葉は3枚ずつ1セットとなって付きます。
また鋸歯と呼ばれるギザギザを持つことも特徴です。
一方、花は4枚の花びらを持つように見える白いものですが、実は花びらは存在しません。
花びらに見えるものはすべて萼片(がくへん)という、葉が変化したものです。
また萼片は整った十字の形に並んでいますが、白くて細く、長い雄しべや雌しべが多数伸びているため、花はまるで火花のような形をしています。
おまけに花はまとまって付く性質があるので、白い線香花火のような、華やかな印象を受けることもあるでしょう。
開花期は8~9月です。
「ボタンヅル(牡丹蔓)」の花言葉
「ボタンヅル(牡丹蔓)」の花言葉は「休息」「心地良い空気」です。
残念ながら、これらの由来についてはっきりとしたことは分かっていません。
また花言葉はネガティブなものではありませんが、人に贈ったり、部屋などに飾ったりといったことにはあまり向きません。
なぜなら動物も近づかないほどの有毒植物であるからです。
しかし花言葉と花の性質がまったくのあべこべであるものは珍しく、話の種にするには良いでしょう。
「ボタンヅル(牡丹蔓)」の豆知識
「ボタンヅル(牡丹蔓)」の分布域は日本(本州、四国、九州)、朝鮮半島、中国です。
日当たりの良い草原や林縁のような場所を好み、他の木や草、電柱、ガードレールなどに絡み付いて育ちます。
人間との関わりはあまりない野の花ですが、山野草の専門店などでは販売されることがあるようです。
また「ボタンヅル(牡丹蔓)」の名は、葉がボタンのそれに似ていることから来ています。
この特徴は「ボタンヅル(牡丹蔓)」と、姿形がよく似た仲間であるセンニンソウとを見分けるポイントのひとつとして利用することが可能です。
ちなみに「ボタンヅル(牡丹蔓)」の花はクリーム色に近い一方、センニンソウの花はより純粋な白に近いといった違いもあります。
とはいえセンニンソウもまた有毒植物で、茎から出る汁や濡れた花粉に触ると皮膚が荒れることもあるのでうかつに近寄らない方が良いでしょう。
しかし花はどちらも似たような形をしており、独特の華やかさがあります。
まとめ
「ボタンヅル(牡丹蔓)」はキンポウゲ科のつる性植物です。
8~9月になると白い火花のような花をまとめて付けるのが特徴で、その様は線香花火のようにも見えます。
ただし有毒植物なので、うかつに触らない方が良いでしょう。
花言葉は「休息」と「心地良い空気」。
動物も避けて通る有毒植物とは思えない花言葉が付けられていますが、その理由は不明です。