「フユシラズ」はキク科カレンデュラ属の宿根草です。
キンセンカの近縁種で、非常に強い耐寒性を持ち、キンセンカよりも少し小さな花を咲かせます。
別名は「ヒメキンセンカ」「ホンキンセンカ」「カレンジュラ」など。
また「フユシラズ」の名前通り、冬に黄色~オレンジ色の鮮やかな花を付けることも特徴です。
具体的な開花期は11~5月で、花の大きさは2~3cmほど。
霜に当たっても雪に降られても問題なく、-10℃程度の低温にも耐えるので冬を彩る花として重宝されています。
「フユシラズ」の花言葉
「フユシラズ」の花言葉は「失望」「絶望」「悲嘆」「暗い悲しみ」「別離の悲しみ」「寂しさに耐える」「乙女の美しい姿」「小さな恋」などです。
花は太陽のような明るい雰囲気を醸し出しているのに、ネガティブな花言葉がこんなにも多いことを不思議に思う方もいらっしゃるかもしれません。
「フユシラズ」の花言葉の主な由来は2つあり、1つはギリシャ神話に登場する太陽の神アポロンの恋の話、もう1つはキリスト教徒を迫害したローマ皇帝の象徴であったことであると言われています。
前者の内容については、次のようなものです。
太陽の神アポロンはある時、水の精霊であるクリュティエ(クリティ)と恋に落ちました。
しかしアポロンはその時、レウトコエという名の王女とも恋仲にあったのです。
これに怒ったクリュティエは王女の父親にこのことを密告。
するとレウトコエの父親はこれに激怒し、レウトコエを生き埋めにしてしまうのでした。
その後、クリュティエは自らの行いを後悔し、9日間も飲まず食わずで遠くからアポロンを眺め続けるということを続け、キンセンカという美しい花に姿を変えたのです。
つまり、キンセンカも「フユシラズ」と同じ花言葉を持ちます。
またキリスト教徒を迫害した者の象徴であったことにより、キンセンカや「フユシラズ」など黄色い花はキリスト教圏では否定的な見方をされることがあるそうです。
「フユシラズ」の豆知識
「フユシラズ」の原産地は地中海沿岸地方です。
現地では雑草として道端や農地などに普通に生えています。
日本にも帰化しており、道端などで見かけることもありますが、鉢植えや種などの形で市場によく出回るため、購入する方が手っ取り早く入手できるでしょう。
またカレンジュラは食用にできると紹介される場合もありますが、それはトウキンセンカやポットマリーゴールドなどと呼ばれる仲間のことであり、「フユシラズ」とは微妙に違うものです。
まとめ
「フユシラズ」はキク科の宿根草です。
冬から春にかけて黄色く鮮やかな花を付けることがその名の由来となっています。
多少の霜や雪をものともしない強い耐寒性を持つため、冬の花壇を彩る花として人気。
一方、花言葉は「失望」「絶望」「悲嘆」「暗い悲しみ」「別離の悲しみ」「寂しさに耐える」「乙女の美しい姿」「小さな恋」などで、全体的にネガティブなものが多いです。
これらは水の精霊クリュティエの悲恋やキンセンカがローマ皇帝の象徴であったことに由来しています。