「赤いアネモネ」は、キンポウゲ科イチリンソウ属の赤色品種です。
地中海沿岸原産で、多数の品種が作られています。
暑い時期に地上部を枯らして球根で厳しい時期をやり過ごす宿根草で、花を咲かすのは春です。
今回は、「赤いアネモネ」の花言葉について解説します。
「赤いアネモネ」の花言葉
「君を愛す」「はかない恋」「恋の苦しみ」があります。
良い意味も含みますが、恋の終わりを暗示させる組み合わせのため、贈る時は注釈を入れるか他の花と合わせるなどの工夫が必要になります。
「君を愛す」
赤い花は、脈打つ鼓動や情熱的な愛のイメージと結びつけられやすいのですが、アネモネの場合、具体的なギリシャ神話のエピソードがあります。
アドーニスという絶世の美少年に、愛と美の女神アプロディーテーが恋をしました。
その後、アプロディーテーは、赤ん坊のアドーニスを一時的に冥府の女王ペルセポネーに預ける必要が出ました。
彼女はアドーニスを箱に入れて見えなようにしていたのですが、結局中を覗いたペルセポネーもアドーニスに恋してしまいました。
女神同士の争いになったため、天界の裁判が行われました。
裁定により、アドーニスは「アプロディーテーと過ごす時間」「ペルセポネーと過ごす時間」「自由時間」と、1年を3分割する事になりました。
ところがアドーニスは、自由時間にもアプロディーテーと過ごしました。
アドニスは裁定通りに行動したのですが、どう見てもペルセポネーが振られています。
ペルセポネーは怒り、アプロディーテーの恋人である軍神アレスを唆して、アドニスを殺させました。
アプロディーテーは大いに悲しみ、その涙とアドーニスが流す赤い血が合わさり、アネモネの花が生まれたのです。
恋人への愛情表現に向く花言葉なのですが、恋の終わりを暗示させる由来であり、更に「はかない恋」の花言葉もあるため、何かしら覆す説明や別の花などを用意する必要はあります。
「はかない恋」
こちらはアネモネに共通する花言葉です。
アネモネを題材にしたギリシャ神話エピソードには、美しい妖精アネモネを題材にしたものもあります。
先ほどのエピソードと辻褄が合いませんが、そういうものです。
西風の王ゼピュロスに愛されたアネモネは、妻である花の女神フローラの嫉妬で追放されてしまいます。
荒野で泣き暮らし弱っていくアネモネを、ゼピュロスは花に変え救いました。
こうして花になった後も、アネモネはゼピュロスの訪れる春に花を咲かせるのです。
いずれのエピソードも短い悲恋で、この花言葉に繋がります。
恋人に贈るには向きません。
創作のキャラクタ設定などには合います。
エピソードを反映させると、割合にドロドロしたものになるでしょう。
「恋の苦しみ」
こちらもアネモネ共通の花言葉です。
アネモネの神話は、どちらも悲劇的な結末で、誰も幸せになっていません。
そんな恋の苦しみを表す意味で、この花言葉が付きました。
「愛情が強すぎて心が苦しい」「僅かでも会えない時間が辛い」というような意味なら、恋人に贈るのにも向きます。
そこまでの強い気持ちであれば、「はかない恋」の方は圧倒できると解釈しても良いでしょう。
まとめ
鮮烈な色の「赤いアネモネ」は、目を惹く美しさがあります。
花言葉を知れば、その深い由来や、古くから親しまれていた事に思いを馳せられるでしょう。
花を多面的に見せてくれる、花言葉を是非参考にして下さい。