「ドウカンソウ(バッカリア)」は、ナデシコ科「ドウカンソウ」属の1年草または越年草です。
ヨーロッパからアジア原産で、江戸時代に鑑賞用に持ち込まれました。
花は縁に切れ目のある花弁が5枚付き、色は紅紫色から白、花期は9月から10月です。
今回は、「ドウカンソウ」の花言葉について解説します。
「ドウカンソウ(バッカリア)」の花言葉
「清い心」「友の思い出」があります。
良い意味と、少し複雑な由来がある言葉が混じります。
深読みして悪く考える相手には向きませんが、通常は贈り物などに良い花言葉です。
「清い心」
白や淡いピンク色で、切れ目が入りハート型をした花弁からイメージされる花言葉です。
心根が清らかで、人を貶めるような事がない友人や恋人などに贈るのに向きます。
子供が清い心で育つように、という願いを込めて自宅に植えるのも良いでしょう。
心が綺麗になるような名言集の表紙デザインにも使えます。
仕事を口実に後ろ暗い事をしている時、「ドウカンソウ」を眺め、自問するのも良いでしょう。
この花言葉が合わないのは、関係が浅い相手です。
ある程度人となりを知らずに言っても、「無思慮にレッテル貼りする人だな」と思われるだけでしょう。
「友の思い出」
「ドウカンソウ」は、江戸時代に渡来した後、道灌山で育てられた事からその名がつきました。
道灌山には「道灌山事件」と呼ばれる、俳句史に残る出来事があります。
明治28年の事です。
俳人の正岡子規は、結核で自分の命が残り少ないと悟った上で、親交のあった高浜虚子を道灌山に誘いました。
それから、茶屋で「後継者になってくれ」と頼んだのです。
ところが、虚子は「私(あし)は学問をする気はない」と、その頼みを断ったというものです。
2人は絶縁した訳ではなく、その後も子規は虚子を支援しています。
数年過ぎ、子規は再び同じ茶屋からの風景を、晴ればれとした表現で句にしています。
これら一連のエピソードから付いた、花言葉です。
思い出を共有する友人に贈るのに向く花言葉です。
一度親交が途絶えた相手にも良いでしょう。
「ドウカンソウ(バッカリア)」の豆知識
「ドウカンソウ」は学名「バッカリア・ピラミダータ」と言い、「バッカリア」の名前でも流通しています。
これはラテン語の「ヴァッカ(牝牛)」を語源としており、牛の飼料として使われた事に因ります。
まとめ
「ドウカンソウ」は可憐な花です。
花言葉を知れば、更に深い由来にも触れる事が出来るでしょう。
花を多面的に見せてくれる花言葉を、是非参考にして下さい。