「ゼンマイ(薇)」はゼンマイ科ゼンマイ属の多年生シダ植物です。
山菜としては最も知られているものの1つで、スーパーやデパートなどにおいて調理用に加工されたものを簡単に入手することができます。
旬は3~5月。
スーパーなどでは茶色いひものような状態で売られていることがほとんどですが、これは採取後に灰汁を抜いて水煮にしたものです。
山菜としての「ゼンマイ(薇)」は先の方がくるくるとした、渦巻きに似たユニークな形をしています。
なお「ゼンマイ(薇)」は花を付けませんが、このユニークな形が花のように親しまれており、芸術作品や古い書物などでもしばしばその名や姿を見ることができます。
「ゼンマイ(薇)」の花言葉
「ゼンマイ(薇)」の花言葉は「夢想」「円熟した優美」「秘めたる若さ」「子孫の守護」などです。
いずれも新芽の独特な丸い形から来ており、植物らしからぬその形状がファンタジックだから、丸まっているその姿が秘めた若々しさや子孫を守る姿をイメージさせるからなどと言われています。
生の「ゼンマイ(薇)」に花言葉を込めて贈るということはまず無いと思われますが、インスピレーションが必要な芸術家やいつまでも若々しくありたいお母さんといった相手に「ゼンマイ(薇)」をモチーフにした置物などを贈るのは良いアイデアでしょう。
「ゼンマイ(薇)」の豆知識
「ゼンマイ(薇)」は、日本においては北海道から沖縄に至るまで広く分布します。
国外における分布域は朝鮮半島、中国、東南アジアなど。
草原や森林といった自然豊かな場所から公園やビルの陰といった街の中まで様々な環境において見ることができますが、田んぼや川のそば、湿地などジメジメした場所を特に好みます。
胞子でも根茎でも増えることができるので群生することもよくあり、また山菜として広く知られているにもかかわらず個体数の減少が問題になっているようなこともありません。
とはいえ考え無しに採取して良いものではなく、「男ゼンマイ」の採取は避け「女ゼンマイ」を採取する、「女ゼンマイ」であっても取り尽くすことは避け少しは残しておくといったことがマナーとされています。
なお「男ゼンマイ」と「女ゼンマイ」の違いは、「男ゼンマイ」が硬くてマズい胞子葉(将来胞子を散布する)であるのに対し「女ゼンマイ」が柔らかくて美味な栄養葉(光合成のための葉)であること。
「女ゼンマイ」の方が茎が太めである、葉の巻いている部分がつるんとしているなどの点で見分けることができます。
また、時計やおもちゃなどに使われるゼンマイ(発条)は本種がその名の由来です。
まとめ
「ゼンマイ(薇)」はゼンマイ科のシダ植物で、代表的な山菜の1つです。
スーパーなどでも簡単に入手することができ、うどんやナムル、煮物などに用いられます。
他のシダ植物同様花は咲きませんが、山菜としての食味や新芽のくるっとしたユニークな形が古くから親しまれているためか花言葉が存在し、また花言葉はいずれもその新芽の形に由来するものです。
具体的には「夢想」「円熟した優美」「秘めたる若さ」「子孫の守護」など。
その独特な形の新芽は、今後も人々を魅了し続けることでしょう。