「シナアブラギリ」はトウダイグサ科アブラギリ属の落葉高木です。
その名の通り中国原産ですが、日本においても人の手から逃げ出したか、そういった個体から増えたものを野生下で見ることができます。
別名は「オオアブラギリ」。
この名は文字通り、アブラギリより大型であることに由来しています。
花は4~5月に咲き、花の色は中央部が赤、外縁部が白。
雄花と雌花の2種がありますが、雌雄同株なので同じ個体に両方咲きます。
「シナアブラギリ」の花言葉
「シナアブラギリ」の花言葉は「歓喜」です。
その由来は不明ですが、サクラに似た雰囲気の付き方をする花やアブラギリより良い油が取れることなどがその由来となった可能性が考えられます。
ちなみにアブラギリの花言葉は「足るを知り、天を楽しむ」というもの。
どちらも喜びを知るという意味のポジティブなものであるという点が共通しています。
「シナアブラギリ」の豆知識
「シナアブラギリ」はアブラギリ共々、その種子から桐油(きりあぶら)を得るために栽培されてきました。
特に「シナアブラギリ」から取れたものは乾性油として優れた点が多いため、現代では桐油の大半が「シナアブラギリ」から製造されます。
桐油の用途としては古くは提灯、和傘、油紙、雨合羽、防虫剤(水田に油の膜を張って害虫を駆除する)など。
今では印刷用のインク、塗料、ニス、シーリング材、電気絶縁用ワニスなどに使われています。
かつては島根県などにおいて盛んに桐油が生産されていたようですが、今では中国や南米からの輸入品に頼っているようです。
また余談ですが、「シナアブラギリ」とアブラギリの違いは木の大きさや油の質だけではありません。
日本において先に栽培されたのはアブラギリの方だと言われており、元から日本に自生していた、あるいは古い時代に中国から伝わったと考えられています。
一方「シナアブラギリ」はアブラギリより後に中国から伝えられ、栽培が始まったと考えられており、かつてはアブラギリの方が数が多かったという話もあるようです。
加えて台湾では、「桐」はアブラギリのことを指します。
アブラギリの花が散る様は「四月の雪」や「五月の雪」と呼ばれ愛されるほか、アブラギリの名所では観光客が地面に舞い降りた花でハートを作ったり、文字を作ったりすることもあるようです。
まとめ
「シナアブラギリ」はアブラギリの仲間で、今でも桐油などを目的に栽培されています。
その主な用途としては印刷用のインク、塗料、ニスなど。
しかし春になると咲く、少しサクラに似た雰囲気のある白い花も見ごたえがあります。
花言葉は「歓喜」。
その由来は不明ですが、仲間のアブラギリ共々ポジティブな花言葉が与えられています。