「蚊取り線香」で知られる「ジョチュウギク(除虫菊)」は、キク科ヨモギギク属の多年草です。
原産は地中海沿岸で、発見はセルビアです。
日本へは1886年に種子が持ち込まれ、東京衛生試験所薬草園で栽培されました。
殺虫効果も立証されていたのですが、実際に営業的な生産に繋がったのは、和歌山県のミカン農園で栽培されたものでした。
ノギク類の特徴を持つ白い花を咲かせ、花期は5月から6月です。
今回は、「ジョチュウギク」の花言葉について解説します。
「ジョチュウギク(除虫菊)」の花言葉
「忍ぶ恋」があります。
この花言葉はカンギクにも付くのですが、「ジョチュウギク」の花期は夏で意味が合いません。
つまり由来は別のもので、「ジョチュウギク」を原料とした殺虫剤である、蚊取り線香の使い方から付いたと考えるべきです。
蚊が一番気になるのは夜の静かな時間で、蚊取り線香が活躍する時間も同じです。
ここから、夜にひと目を忍ぶ逢瀬がイメージ出来るのです。
他人にまだ公表していない恋人同士で贈り合うのに向く花言葉です。
創作で、身分違いの恋などのシチュエーションに、象徴的に使う事も出来ます。
中が見えない苺大福の宣伝イメージとしても使えそうです。
許されない片思いをしている時、スマホの待ち受けにして気分を落ち着けるのも良いでしょう。
恋愛感情がない相手には妙に誤解されてしまうため、贈るのはやめましょう。
本当は周囲に知らせたいと思っている恋人に対して贈るのも、イライラを助長させる事に繋がります。
「ジョチュウギク(除虫菊)」の豆知識
「ジョチュウギク」は蚊取り線香の原料になった事で知られますが、これはピレスロイドが含まれていた事によります。
ピレスロイドは昆虫、両生類、爬虫類の神経細胞に作用し、神経毒として働きます。
一方、哺乳類や鳥類の神経には作用しないため、安全に殺虫剤として利用が出来るのです。
但し、ピレスロイドにアレルギーを持つ人や、煙自体に含まれる煤や強い匂いに過敏に反応する人もいるため、使用には配慮が必要です。
現在は化学合成した合成ピレスロイドが使われており、除虫菊を使った蚊取り線香は少数派です。
天然素材で合成品より身体に優しいという売り文句が付いている事がありますが、ピレスロイドが含まれる事には変わりありません。
まとめ
「ジョチュウギク」は殺虫用途と、キクとしての美しさを持つ、有用な花です。
花言葉を知っていれば、更に深く印象を持つ事が出来るでしょう。
花の様々な面を知る事が出来る、花言葉を是非参考にして下さい。