「アスクレピアス(トウワタ)」はキョウチクトウ科トウワタ属の多年草です。
しかし、寒さに弱いため日本においては一年草として扱われます。
漢字では「唐綿」と書きますが、原産地は中国ではなくアメリカです。
これは「唐」という字がかつて外国一般を表す意味を持っていたため。
また綿の字が示す通り、種子にはふわふわとしたわたが付いています。
一方、花は5枚の花びらがスカートのように斜め下方向に伸び、雄しべと雌しべが合わさってできた蕊柱(ずいちゅう)が上方向に伸びるといった少し変わった作りをしています。
色は花びらが赤、オレンジ、黄色などで、蕊柱が黄色やオレンジです。
花びらと蕊柱が異なる色をしているものは、大小2つの花が重なり合っているかのように見えることもあるでしょう。
花期は6~10月です。
「アスクレピアス(トウワタ)」の花言葉
「アスクレピアス(トウワタ)」の花言葉は「健康な身体」「私を行かせてください」「心変わり」などです。
「アスクレピアス」という名前や「健康な身体」という花言葉の由来は、ギリシャ神話に登場する神、アスクレピオス(アスクレーピオス)であるとされています。
難病を治すことはもちろん、死者を蘇らせることさえも可能な医学の神で、今ではアスクレピオスの杖は医の象徴として世界的に用いられるほど。
WHO(世界保健機関)のロゴマークにもアスクレピオスの杖が描かれています。
また「私を行かせてください」の由来は種がその綿毛を使ってふわふわと飛ぶことです。
加えて「心変わり」という少し不穏な花言葉もありますが、これは「アスクレピアス(トウワタ)」に毒があることに由来します。
「アスクレピアス(トウワタ)」の豆知識
「アスクレピアス(トウワタ)」は寒さには弱くとも暑さにはとても強く、真夏の苛烈な日差しにさえ負けることがありません。
また傷が付くと白い汁が出てきますが、これには毒性があるので直接触らないようご注意を。
一方で薬草としての側面もあり、全草を肺炎、気管支炎、扁桃腺炎、乳腺炎などの薬として用いることがあります。
加えて種のわたは、枕やクッションなどの詰め物にされることがあるそうです。
まとめ
「アスクレピアス(トウワタ)」はわたを持つ種と、変わった形の花が特徴的な多年草です。
花言葉は「健康な身体」「私を行かせてください」「心変わり」など。
毒を持つので取り扱いには注意を要しますが、一方で薬草としての側面も持ちます。