「サカキ(榊)」はモッコク科サカキ属の常緑小高木です。
名前の由来については諸説ありますが、今のところ神域である常世(とこよ)と人間の住む現世(うつしよ)との境目を示す木、「境木(さかき)」から来ているという説が最も有力とされています。
別名は「ホンサカキ(本榊)」「マサカキ(真榊)」など。
本来「サカキ」は特定の植物を指す言葉ではなく、「神棚に上げる植物」を指すものでした。
よって地域によって「サカキ」はモッコク科サカキ属の「サカキ(榊)」であったり、モッコク科ヒサカキ属のヒサカキであったり、ツバキやクスノキであったりとバラバラだったのです。
今では栽培技術の発達によりモッコク科サカキ属の「サカキ(榊)」が全国に流通するようになりましたが、今でもヒサカキなどを用いる地域があるので、そういった「サカキ」と区別する必要がある場合には「ホンサカキ(本榊)」「マサカキ(真榊)」と呼ばれます。
また他の「サカキ」共々「シャカキ」「シャシャキ」「サカシバ」などの地方名で呼ばれることも。
花は凛とした白く小さなもので、開花期は5~8月です。
「サカキ(榊)」の花言葉
「サカキ(榊)」の花言葉は「神を尊ぶ」「控えめな美点」「揺るがない」です。
「神を尊ぶ」はその枝に神様を降ろしたり、神棚に上げたりと神事には欠かせない植物であり続けてきたことに由来します。
他の2つについては由来は不明ですが、「控えめな美点」は葉の根本というあまり目立たない場所に咲くその白い花の様子から、「揺るがない」は大いなる神様の「おかげ(ご利益)」から来ている可能性が考えられるでしょう。
余談ですが今でも「サカキ」としてよく扱われるヒサカキにも「神を尊ぶ」という花言葉があるほか、「控えめな美」「内気」といった「サカキ(榊)」の「控えめな美点」に似た花言葉があります。
「サカキ(榊)」の豆知識
神事のイメージがある「サカキ(榊)」ですが、耐暑性や耐陰性がありまあまあ育てやすいことから観葉植物や生垣としても用いられます。
寒さには少し弱めなのでご注意を。
ちなみにそれゆえ東北地方や北海道などには自生しておらず、そういった地域では代わりにヒサカキなどを「サカキ」とすることが多かったようです。
また「サカキ(榊)」を庭に植えてはいけないと言われることもありますが、これは庶民が神聖な木を植えるなんてとんでもないというはるか昔の考えから来たものであり、現代においては特に問題ありません。
加えて毒があると言われることもありますが、「サカキ(榊)」は無毒です。
まとめ
「サカキ(榊)」は神事によく使われる木です。
神社や神棚など、その枝を目にする機会は多いでしょう。
花は葉の根本に小さく咲く白いもので、開花期は5~8月。
花言葉は「神を尊ぶ」「控えめな美点」「揺るがない」です。
ヒサカキなども「サカキ」と呼ばれることがあるので、特に区別が必要な場合は「ホンサカキ(本榊)」「マサカキ(真榊)」といった名称を使います。