カラタチは古来より親しまれてきたミカン科カラタチ属の低木です。
中国原産ですが、日本最古の歌集「万葉集」にその名が載っていることから少なくともその頃には日本に伝わっていたと考えられています。
現代においても歌や物語などにしばしば登場しており、特に日本の歌百選にも選ばれた「からたちの花」(1925年リリース、作曲:山田耕筰 作詞:北原白秋)は名曲として有名です。
カラタチの花はそれに歌われている通り白い色をしており、花びらは5枚。
開花期は4~5月で、花からは柑橘系らしい香りが漂います。
「カラタチ」の花言葉
カラタチの花言葉は「思い出」「温情」「泰平」「貞節」「相思相愛」などです。
このうち「思い出」「温情」「泰平」は先に挙げた歌「からたちの花」に由来すると考えられています。
これはカラタチの垣のそばで泣く少年を取り巻く人生の辛さや人の優しさなどを歌っている、今でも非常に高く評価されているものです。
また「貞節」「相思相愛」はその花の目が覚めるような白さに由来すると考えられています。
「カラタチ」の豆知識
カラタチは10~11月頃になると丸くて黄色い実を付けます。
それはより真球(狂いのない球)に近いユズといった塩梅の形をしており、また食用にならないことはありませんが苦みがとても強いので主な用途は果実酒や漢方薬です。
漢方薬としてのカラタチの実は「枳殻(きこく)」と呼ばれており、主な効能は健胃、便秘や腹痛の改善、利尿など。
ちなみに枳殻(きこく)はミカン科の果実を乾燥させたものの総称であるため、カラタチの他にも同じミカン科のダイダイやナツミカンが使われます。
それとかつてはカラタチは歌にもあるように生垣によく使われてきましたが、今では管理が難しいことやそのトゲによる危険性などから生垣への利用はあまりなく、代わりに柑橘類を栽培する時の台木としての利用が主となっている模様。
他の台木と比較して寒さや病気に強く、早く実を付けることができ、おまけに味も良くなるというメリットがあるそうです。
まとめ
カラタチは真っ白な花と丸くて黄色い実が特徴的なミカン科の低木です。
日本には万葉集の時代にはすでに伝わっていたと考えられており、以降数々の歌や書物などにおいてその名を見ることができます。
特に「からたちの花」(1925年)は日本の歌百選にも選ばれた名曲。
またカラタチの花言葉は「思い出」「温情」「泰平」「貞節」「相思相愛」などで、このうちの半分以上は名曲「からたちの花」に由来すると考えられています。