「しばしの別れ」とは、少しの間別れるという言葉になります。
この「少し」は、時間だけでなく、心の距離の意味もあり、「関係を断ちたくない」という気持ちを大きく含みます。
つまり「しばしの別れ」という花言葉の花は、親しい人との別れ際に贈る、再会を誓うメッセージです。
贈る時、盛り込みたい気持ちは多いでしょうが、出来るだけ誤解しにくい花言葉の花を選びましょう。
後から変な解釈が出来る事に気付いて、訂正の連絡を入れるのは気まずいものです。
「しばしの別れ」の花言葉を持つ花
花言葉に「しばしの別れ」がある花を、見ていきましょう。
「ミヤコワスレ(都忘れ)」
キク科ミヤマヨメナ属の園芸品種です。
一重のノギクの姿で、花色は白から紫です。
「ミヤコワスレ」の名の由来は、佐渡島へ流刑になった「順徳天皇」が、白い花に都を思い出しつつも、忘れようとしたという伝説によります。
この都を離れるイメージから付いたのが「しばしの別れ」という花言葉です。
他の花言葉は「忘れ得ぬ人」「穏やかさ」「しばしの慰め」で、大切な人への「寂しさを僅かでも、この美しい花で紛らわせて欲しい」というメッセージになります。
尚、「アズマギク(東菊)」の別名もありますが、これはムカシヨモギ属の花の標準和名になっています。
「しばしの別れ」と似た意味の花言葉を持つ花
「しばしの別れ」に似た意味の花言葉を持つ花は、複数見られます。
「ヒガンバナ(彼岸花)」
ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草です。
別名は「曼珠沙華」で、これはサンスクリット語の「赤い花」を意味する「マンジュサカ」に文字をあてたものです。
救荒作物やモグラ避けなどの目的で、畑などの周りに多く植えられました。
日本に持ち込まれた「ヒガンバナ」は種を付けないため、野生個体に見えても、過去のいずれかの時代に人の手で植えられたものです。
原種の花は赤で、小花が放射状について1つの花に見えます。
暑い夏は地上部を枯らして過ごし、秋のお彼岸の頃に茎を伸ばして花を咲かせる事が、「彼岸花」という名前の由来です。
この一度地上から姿を消す性質から、「しばしの別れ」に続きそうな「また会う日を楽しみに」という花言葉がつきます。
他の花言葉は、「再会」「情熱」という再会を期待する言葉と、「あきらめ」「悲しい思い出」「独立」という、すっぱり忘れるような花言葉が混在するため、贈る時はカードなどで意図を明らかにしましょう。
同じ花言葉が「ネリネ」についている他、「サネカズラ(実葛)」にも「また会いましょう」という意味の近い花言葉があります。
まとめ
「しばしの別れ」という花言葉は、時間だけの意味ではなく、心も大きくは離れないという気持ちが込められます。
そんな花言葉を持つ花は「ミヤコワスレ」です。
他に「ヒガンバナ」「ネリネ」「サネカズラ」が、似た花言葉を持ちます。
その後離れてしまうため、間違いがあってもフォローしにくくなります。
花は誤解が起こらないよう、冷静に選びましょう。