垂れ下がる姿に風情がある「藤の花」は、マメ科フジ属の蔓性の落葉樹です。
蔓が右巻の「ノダフジ」と、左巻の「ヤマフジ」が主な品種です。
日本固有種で本州から九州に分布し、低山地や林、崖などに生育します。
鑑賞用としても植栽され、庭園では支柱を這わせた「藤棚」として日よけの用途でも利用されます。
花は穂を作り垂れ下がって咲き、花色は白から紫、花期は4月から5月です。
今回は、「藤の花」の花言葉について解説します。
「藤の花」の花言葉
「恋に酔う」「歓迎」「優しさ」「決して離れない」といいます。
いずれも好意を伝える良い意味ですが、方向性は様々なので、相手によって使い分けましょう。
誤解を与えそうな相手は別の花にした方が良いでしょう。
「恋に酔う」
世界最古の長編小説ともいわれる『源氏物語』からイメージされた花言葉です。
主人公「光源氏」は恋多き人物ですが、彼が追い求めたのが「藤壺の宮」の面影でした。
恋に酔い惑った彼の姿から付いた花言葉です。
源氏物語が執筆された平安時代は、藤原家が権勢を誇った時代というのも、「藤の花」のイメージと繋がります。
恋の最中は酒に酔うのに似て、ふわふわ心地よいものです。
度が過ぎれば二日酔いになる事も似ているため、適量を心がけましょう。
付き合い初めて熱烈な恋人へ贈るのに向きます。
「歓迎」
「藤の花」が頭を垂れて、人を迎え入れているように見える事から付いた花言葉です。
公園で、藤棚の下にしばしばベンチが置かれ、休憩所にされる事から、管理している人の気持ちを表す言葉にもなります。
見知らぬ場に来た時は不安になり、歓迎されると嬉しいものです。
歓迎する側も、不安半分の状態です。
そんな緊張状態を、「藤の花」が和らげてくれるでしょう。
歓迎会などに飾るのに向く花言葉です。
「優しさ」
美しい花色と、風に揺れる柔らかな花穂からイメージされる花言葉です。
優しさは何にも勝る強さになります。
敵対されると反発しますが、優しく扱われるとその気分自体が起こりません。
優しい人へ贈り、好意を伝えるのに向く花言葉です。
「決して離れない」
蔓が支柱などに巻き付き、容易には離れない事から付いた花言葉です。
草の蔓なら手で引きちぎれますが、「藤の花」の蔓は木なので一苦労です。
強く愛する人からは、離れたくないと思うでしょう。
ですが、人は独りで歩くように出来ています。
適度な距離がなければ、歩き辛いだけです。
離れる必要はありませんが、近付く距離にも気を付ける事は、長続きには必要でしょう。
恋人への愛情表現や、プロポーズに向く花言葉です。
まとめ
晩秋の花として日本人に親しまれて来た「藤の花」は、美しく好ましいものです。
花言葉を知れば、その強さにも気付かされるでしょう。
花を多面的に見せてくれる、花言葉を是非参考にして下さい。