生ある者はいつか死ぬ運命にあるという摂理は、昔から今に至るまでどのような権力や技術によっても変えられない厳然たるものとして存在し続けてきました。
そしてそれは、おそらく数十年、数百年後においても同じでしょう。
それゆえに死は、あらゆる文化で絶対的なものであると見なされてきました。
そしてそれは花言葉の分野においても例外ではありません。
死に関する花言葉にはとても強く、相手や場面を選ぶものも少なくないので、そのような花言葉を使おうとする際には注意が必要でしょう。
「死」の花言葉を持つ花
「死」を表現するのに使えそうな花のうち、比較的知名度の高いものや入手性の良いものの例は次の通りです。
「イチイ」
イチイはイチイ科イチイ属の木です。
アララギ、スオウ、シャクノキなどと呼ばれることもあります。
イチイの花は小さく地味で目立たないものですが果実は赤く鮮やかなうえに食用にもなるので、花よりも果実を目当てに栽培されることがほとんどのようです。
またその材は希少な高級品とされており、特に彫刻用としては最高級の評価を受けています。
なおイチイに「死」という花言葉があるのは、西洋において墓地に植えられることが多いからなのだそうです。
「デイジー」
デイジーはヒナギクとも呼ばれる、キク科ヒナギク属の花です。
その花は丸く色鮮やかで、切り花にした時に花もちが良いことからギフトやインテリアとしても優秀。
おまけに「平和」「希望」「美人」といったポジティブで使いやすい花言葉を持っています。
一方で「(純真・有徳な者の)死」というシェイクスピアの戯曲「シンベリン」からきた花言葉もありますが、他に定番の花がある、花粉が飛ぶなどの事情から人間の葬儀にはほぼ使われません。
しかしペットの葬儀には使われることがあるそうです。
「クワ」
クワはクワ科クワ属の木です。
マルベリーと呼ばれることもあります。
その実はアントシアニン、亜鉛、マグネシウムなどを含む栄養豊富な健康食品として利用されるほか、その葉はカイコの餌として重要。
また若芽や若葉は天ぷらやおひたしなどにして食べることもできるそうです。
花言葉は「共に死のう」「彼女の全てが好き」など。
これらはギリシャ神話の「ピュ―ラモスとティスベー」という悲しいお話からきているといわれています。
「死」と似た花言葉を持つ花
例えばアイビーには「死んでも離れない」という花言葉があります。
アイビーはつる性植物としては代表的なもののひとつで、観葉植物としてだけでなく本格的な壁面緑化に使うことも可能です。
またスノードロップには「あなたの死を望みます」というおどろおどろしい花言葉があります。
これはイギリスの農村の言い伝えからきているものなのだそうです。
まとめ
「死」という花言葉を持つものとしてはイチイやデイジーなどがあります。
またクワ、アイビー、スノードロップなどが死に関連する花言葉を持ちます。
言うまでもなく、使用の際は注意が必要になることが多いです。