繊細な切れ目の入った花弁が美しい「ヤマトナデシコ(大和撫子)」は、ナデシコ科ナデシコ属の多年草です。
別名を「カワラナデシコ(河原撫子)」ともいい、単に「ナデシコ」と呼ぶ場合、本種を指します。
海外では中国、朝鮮半島、台湾、国内では本州から九州に分布し、沖縄にも少数自生が見られ、山地の斜面や砂浜に生育します。
花は直径5cm程、花弁5枚で外側は細かい切れ目が入り糸状で、内側は細くなっています。
色は淡紅色から白、複色で、花期は7月から10月です。
秋の七草にも含まれています。
今回は、「ヤマトナデシコ」の花言葉について解説します。
「ヤマトナデシコ(大和撫子)」の花言葉
「貞節」「可憐な純情」「思慕」「勇敢」などがあります。
日本女性の美称にも使われる事から、古い美徳をイメージさせる言葉が揃いますが、一方、西洋由来の花言葉も混じります。
贈る時には、意味を正しく伝えないと、妙な勘違いをされるので気を付けましょう。
「貞節」
近い意味で「純愛」という花言葉も付いています。
「操を守る」というと古い表現ですが、「浮気しない」と考えれば当たり前の事です。
違和感を持つのは、それが女性にしか求められなかったという事です。
そのアンバランスがない現代なら、普通に恋人や夫婦の関係を保つのに必要な言葉です。
相手を最も大切に思うという意味で、夫婦で贈り合うのに向きます。
「可憐な純情」
花の可憐さのイメージが強調された花言葉です。
「可憐」「無邪気」という花言葉も付いています。
恋愛に限らず、真っ直ぐ無邪気に向けられる好意は、好ましいものです。
一方、それが見せかけの場合もありますが、見極めは難しいものです。
けれど、疑いは結果を引き寄せる事もあるものです。
まず、可憐と思ったものは、そのまま表現しても良いでしょう。
疑うのは1度騙された後、切り替えが肝心です。
可憐さを感じる恋人へ贈るのに向きます。
「思慕」
戦に出た恋人を、一途に思い慕う姫のイメージです。
誰かを思い慕う事はあるでしょうか。
誰かと話したいなら即時に話せ、本気で会おうと思えば2日で日本の隅々まで行ける時代です。
徒歩と馬しかなかった時代より、遥かに恵まれています。
そんな中で、思慕の念を感じたら、まずは素直に伝えると良いでしょう。
昔のすれ違いの物語は、繰り返さず、新しい幸せな物語を作るべきです。
会いたいと思った時、恋人へ贈るのに向きます。
「勇敢」
平安時代末期の大和撫子「巴御前」のイメージでも良いですが、西洋に具体的な由来があります。
ナデシコ属の属名「ディアヌス」は、ローマ神話の主神「ユピテル(ジュピター)」が元になった名です。
花の美しさを讃えたものです。
ユピテルはローマの守護神で、一騎打ちを守護する神とされた事から、この花言葉が付いています。
同じ由来で「大胆」という花言葉もあります。
困難にも物怖じしない勇敢な人へ贈り褒めるのに良いでしょう。
今ひとつ臆病な人を鼓舞する時にも合います。
まとめ
「ヤマトナデシコ」は、繊細で美しい花です。
花言葉を知れば、更に複雑な印象を持てるでしょう。
花を多面的に見せてくれる、花言葉を是非参考にして下さい。