「ヤマアイ(山藍)」は、トウダイグサ科ヤマアイ属の多年草植物です。
日本における最古の植物染料の一つとして用いられ、山地の薄暗いところ、木陰などに生育することから、藍染めに用いられるタデ科のアイ(藍)が畑で栽培されるのに対して山地で育つアイ「ヤマアイ(山藍)」の名前がつけられたとされています。
今回は「ヤマアイ(山藍)」の花言葉について解説していきます。
「ヤマアイ(山藍)」の花言葉
「ヤマアイ(山藍)」は高さ30?40cmになる植物で、葉の長さは10cm前後ですが、花一つ一つは非常に小さく、枝先の葉脈から出る花柄に緑白色の花を複数つけます。
花期は冬の終わり3月ごろから4月上旬にかけてですが、先述したとおり花の大きさが小さいことに加え、葉の色に近い緑白色の花をつける特徴があるため、花自体が目立つことはほとんどありません。
そんな「ヤマアイ(山藍)」の花言葉は「正しいこと」、「古き良き時代の」です。
これらについて説明します。
「ヤマアイ(山藍)」の花言葉「正しいこと」
「ヤマアイ(山藍)」の学名はMercurinialis ieiocarpaと称されます。
ieiocarpaとは、毛のない果実を指す言葉で、「ヤマアイ(山藍)」のツルッとした見た目の果実をさしたとされます。
そしてMercurinialisとは、これはローマ神話に出てくる商業、旅人の守護神Mercurius(メルクリウス、英語読みではマーキュリー)に由来する言葉です。
メルクリウスはのちにギリシア神話に出てくる伝令使ヘルメスと同化された神ですが、商品、財貨にかかわる神で「正しいこと」を象徴するような存在でもあります。
それらのことから「正しいこと」という花言葉がついたようです。
「ヤマアイ(山藍)」の花言葉「古き良き時代の」
「ヤマアイ(山藍)」は古来より染料として用いられてきた歴史があります。
とはいえ、藍染めに使用されるアイとは異なり、インディカンと呼ばれる青色の成分を含んでいないため青ではなく、緑色に染まるという特徴があります。
古くは万葉集にも名前が登場する「ヤマアイ(山藍)」ですが、現代においても皇室の神事である新嘗祭に使用される小忌衣(おみごろも)には京都の石清水八幡宮で採れる「ヤマアイ(山藍)」が用いられるそうです。
このように古い時代から使用される「ヤマアイ(山藍)」は古き良き時代を思い出させる要素があるということで「古き良き時代の」という花言葉がつけられたようです。
「ヤマアイ(山藍)」の豆知識
「ヤマアイ(山藍)」が自生する様子からすると山菜に間違われがちですが、全草にコーヒーや抹茶にも含まれる苦味成分サポニンが含まれているため食用になりません。
誤食すると嘔吐、下痢、腹痛、血便等の症状が出るため、口に入れないよう注意が必要です。
まとめ
「ヤマアイ(山藍)」は花自体は控えめて決して目立つものとはいえませんが、落ち着いた印象を与える花言葉を持つ植物です。
贈答の際の参考になさってください。