「ヤブジラミ(藪虱)」はセリ科「ヤブジラミ」属の越年草です。
ユーラシア大陸に広く分布し、北アメリカにも帰化しており、日本国内では全域の野原や道端に生育します。
一箇所から枝分かれした茎の先に、白い小花が咲き、全体的には傘状に見えます。
花期は5月から7月です。
今回は、「ヤブジラミ」の花言葉について解説します。
「ヤブジラミ(藪虱)」の花言葉
「逃がさない」「ジキルとハイド」といいます。
良い意味ではないため、贈り物などには向きません。
ごく親しい間柄で、冗談の1つとして贈るなら良いでしょう。
「逃がさない」
「ヤブジラミ」の果実は全体的に白く長さ4mm程で、表面に無数の鉤状のトゲが付いています。
このため、動物の毛や人間の衣類などに容易に引っかかり、生息域を広げます。
この「ひっつき虫」としての性質や見た目が、人間に寄生する「虱」と似て見えた事から「ヤブジラミ」の名前が付いています。
果実を拡大すると、びっしりトゲが見え、「絶対に逃さない」という強い意志を感じさせるところから付いた花言葉です。
意味としては恋の告白やプロポーズに合うのですが、相手の気持ちへの配慮が全くないため、好印象を与える事は出来ません。
ごく親しい友人を、遊びに誘う時のメッセージに添えるなどの使い方は出来ます。
「ジキルとハイド」
「ジキルとハイド」とは、「ロバート・スティーヴンソン」の執筆した小説の、1人の登場人物を指します。
「ジキル博士」が自分の発明した薬品で、第二人格「ハイド氏」を発現させるという筋立てです。
ここから、「ジキルとハイド」は、いわゆる二重人格(解離性同一性障害)を表す言葉としてしばしば使われています。
セリ科の白く細やかで美しい花を付けながら、近付けば迷惑な白い果実を付着させるという「ヤブジラミ」の二面性を指した花言葉です。
本当に病的な人については、差別的な表現になるため、決して使ってはいけません。
場面によって振る舞いがガラリと変わるごく親しい友人に対して使う事は出来ます。
「ヤブジラミ(藪虱)」の豆知識
「ヤブジラミ」の名前の元になった「シラミ(虱)」は、シラミ上科の昆虫の総称です。
人間に寄生する種類は3つで、最大で4mm程度、やや透き通った身体は、体毛の上で白く見えます。
感染経路は人間同士や衣類を通した接触で、屋外の藪を歩いて付くような事はなく、「ヤブジラミ」と見間違える事はないでしょう。
まとめ
「ヤブジラミ」は果実の性質や名前から嫌われる事もある植物です。
花言葉を知り、興味を深めれば、その美しい花にも気づけるでしょう。
風景に色を足してくれる花言葉を、是非参考にして下さい。