「ミツデカエデ(三手楓)」はムクロジ科カエデ属の落葉高木です。
葉が三枚一組で付くことからこの名が付きました。
こういった葉の付き方は専門用語で「三出複葉」といいます。
しかし、まれに四枚一組や五枚一組のものもあるようです。
また葉の縁には「鋸歯(きょし)」と呼ばれるギザギザがあります。
他のカエデのように葉は先がいくつかに分かれたような形をしてはいませんが、良い条件下で紅葉した時の美しさは他の仲間たちにも劣りません。
無論「ミツデカエデ(三手楓)」もまた多くの紅葉する木同様、葉の鑑賞を目的に栽培されています。
一方花は黄色〜黄緑色の小さなもので、20〜50個の花からなる穂が枝から垂れ下がって付くという特徴がありますが、花が地味なことで知られるカエデ類の中でもさらに地味だと評されることもしばしば。
人によっては花がらや果物のヘタのように見えることもあるかもしれません。
しかしこれでも立派な虫媒花(虫によって受粉する花のこと)で、花期が終わると羽のある実を付けます。
開花期は4〜5月です。
「ミツデカエデ(三手楓)」の花言葉
「ミツデカエデ(三手楓)」の花言葉は「忍耐」です。
花言葉の由来は、残念ながら不明です。
しかし「忍耐」という花言葉を持つ花はいくつもあります。
例えばウメ、シュウメイギク、ネリネなどです。
そして「忍耐」という花言葉が付いた理由としてはその花にまつわる悲しい伝説がある、冬の寒さにも負けずに花を咲かせるなどといったものがあります。
「ミツデカエデ(三手楓)」は春に花を咲かせるので、冬の寒さに耐え春に花を咲かせる様が花言葉の由来となったという可能性も考えられます。
とはいえ、その見た目から人に贈るには向かない花です。
「我慢強い人間になりたい」という願いを込めて庭木にしたり、「粘り強く勉学に励んでほしい」という願いを込めて学校に植えたりするのは良いでしょう。
「ミツデカエデ(三手楓)」の豆知識
「ミツデカエデ(三手楓)」は日本固有種です。
日本各地の山地に自生しているほか、庭木や公園樹、街路樹などとしても利用されています。
成長が早く、樹形が自然に整いやすい点も魅力。
また材は器具材や薪炭材として利用されます。
まとめ
「ミツデカエデ(三手楓)」はムクロジ科の落葉高木です。
葉が三枚一組で付くのが特徴で、秋になると紅葉します。
一方、花は黄色〜黄緑色の小さなもの。
花言葉は「忍耐」です。