「フナバラソウ(舟腹草)」はキョウチクトウ科カモメヅル属の多年草です。
ガガイモ科とする資料もありますが、これはかつて本種がガガイモ科に分類されていたことによるもの。
また「フナバラソウ(舟腹草)」の名は、裂けた果実が船にとても似ていることから来ています。
日本では沖縄以外の地域でまれに見ることができる珍しい種で、人間との関わりはあまりありません。
市場でも入手は困難で、山野草の専門店においてごくまれに販売されることがある程度です。
ちなみに草丈は40~80cmほどで、開花期は6月。
花は小さくて黒い星形のもので、葉の下にまとまって付くことが多いという性質があります。
「フナバラソウ(舟腹草)」の花言葉
「フナバラソウ(舟腹草)」に花言葉は割り当てられていません。
しかし花言葉を付けるとするなら「癒し」「治癒」「滋養」「慈しみ」などが良いでしょう。
これは「フナバラソウ(舟腹草)」が持つ薬効に由来するものです。
また葉の下に黒い花をまとめて付けることから「陰ながら応援しています」という花言葉も良いでしょう。
ただし「フナバラソウ(舟腹草)」の花を贈ることはとても困難なことではありますが。
「フナバラソウ(舟腹草)」の豆知識
原産地は日本(沖縄以外)、朝鮮半島、中国であると考えられており、分布域も同様のものとなっています。
個体数の減少が非常に懸念されている種で、環境省レッドリストにおいては絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されているほか、富山県においては絶滅種に、岩手県、福島県、千葉県、新潟県、岐阜県、愛知県、奈良県、高知県などにおいては絶滅危惧Ⅰ類に、宮城県、長野県、兵庫県、和歌山県、岡山県などにおいては絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。
しかし個人で栽培することは不可能ではないらしく、むしろ耐暑性や耐寒性に優れる丈夫な花であるということです。
とはいえ情報が少ないということもあり、初心者が手を出すのは止めておいた方が良いでしょう。
また「フナバラソウ(舟腹草)」の根を乾燥させたものは「白薇(びゃくび)」という生薬になるようです。
主に中国で生産されており、その効能は解熱、解毒、利尿など。
他の生薬と組み合わせて産後の衰弱や病後の回復に用いることもあるそうです。
加えて「フナバラソウ(舟腹草)」のエキスには肌の炎症や痛みを緩和する効果があり、一部の化粧品などに配合されています。
まとめ
「フナバラソウ(舟腹草)」はキョウチクトウ科の多年草です。
絶滅危惧種に指定されている珍しい花で、人間との関わりはあまりありません。
ゆえに花言葉も割り当てられておらず、市場に出回ることもほとんどないようです。
しかし中国では本種から作る「白薇(びゃくび)」という生薬が生産されており、それには解熱、解毒、利尿などの効果があるとされています。
また花言葉を付けるのならその薬効や花の姿などから「癒し」「治癒」「滋養」「慈しみ」「陰ながら応援しています」などが良いでしょう。