「ヒヨドリジョウゴ」はナス科ナス属のつる性植物です。
漢字表記は鵯上戸、別名には「ホロシ(保呂之)」「ツヅラゴ」「チャラコ」などがあります。
「ヒヨドリジョウゴ」の名は、その赤い実を食べにやってくるヒヨドリが酒盛りで楽しんでいるように見えることから付いたとされているようです。
また、果実はしばしばヒヨドリの好物だとされることもあります。
しかし実際のところ、ヒヨドリが本種の実を特に好んで食べるという事実はないそうです。
なお花は5枚の花びらを持つように見える白いもので、開花期は8~9月。
花びらが後ろに強く反るという特徴があり、花がバドミントンの羽(シャトル)のような形になることもよくあります。
「ヒヨドリジョウゴ」の花言葉
「ヒヨドリジョウゴ」の花言葉は「真実」「清楚」「すれ違い」「期待」「延期」などです。
残念ながらこれらの由来については何も分かっていません。
しかし「真実」や「清楚」は真っ白な花によく付けられる花言葉であり、これらも花の白さから来ている可能性が考えられます。
また「すれ違い」「期待」「延期」の由来として有力そうなものは真っ赤な実が冬になっても長く残ることでしょうか。
ともあれ、それぞれの花言葉が持つ意味の方向性がバラバラであるため、人に贈るにはあまり向かない花であると言えます。
特に「すれ違い」や「延期」といった花言葉があることから、恋愛や仕事に関係するシーンではあまり使わない方が良いでしょう。
とはいえ「ヒヨドリジョウゴ」の花はギフトにされたり販売されたりすることは非常にまれです。
どちらかと言えばその赤い実を観賞用にするものなので、ネガティブな意味の花言葉に悩むことはあまりないでしょう。
「ヒヨドリジョウゴ」の豆知識
「ヒヨドリジョウゴ」は秋になると直径1cmほどの丸く赤い実を付けます。
それはトマトやサクランボのように真っ赤でつややかなうえ、冬になっても長い間そのままの姿で残るため、草むらにあってもよく目立つものです。
特に雪景色の中でも鮮やかさを失わない様は美しいと評判。
ただし果実にはソラニンという人間には有害な成分が含まれるため、美味しそうに見えたとしても食べてはいけません。
ちなみにソラニンはジャガイモの芽に含まれることで知られているもので、摂取すると頭痛、胃炎、下痢などを引き起こす可能性があります。
とはいえ薬草としての一面もあり、福島県では帯状疱疹に対し全草を酢に漬けたものを塗布するという民間療法が伝わっているほか、中国では全草を乾燥させたものを「白毛藤(ばいまおたん)」と呼び、解毒剤、解熱剤などとしたそうです。
まとめ
「ヒヨドリジョウゴ」はナス科のつる性植物で、冬まで残る赤い果実を付けることが特徴です。
これがつややかで美しいため、花よりも実の方に観賞価値を見出されている植物でもあります。
花言葉は「真実」「清楚」「すれ違い」「期待」「延期」など。
人に贈るのに向いているとはあまり言えない花言葉群ですが、花の形はバドミントンの羽に似たユニークなものです。