「ハシリドコロ(走野老)」は、ナス科「ハシリドコロ」属の多年草です。
日本固有種で、本州、四国、九州に分布し、山野の湿った場所に生育します。
花は釣り鐘形の暗紅色で、花期は4月から5月です。
今回は、「ハシリドコロ」の花言葉について解説します。
「ハシリドコロ(走野老)」の花言葉
「沈黙」「殺してしまいたいほど愛してる」です。
結果的には愛情を示す言葉ですが、表現は悪いので、かなり気易い間柄でないかぎり、贈るには向きません。
「沈黙」
「ハシリドコロ」は、全体が有毒で、誤食すると痙攣や昏睡などで喋れなくなる場合がある事から付いた花言葉です。
贈ると「あなは無口な人である」という意味よりも「喋るな」という意味になり、冗談以外で他人に使う表現ではありません。
創作で、無口なキャラクタのイメージにしたり、犯行動機の伏線にするなどの使い方は出来ます。
喋りすぎを注意された時、スマホの待ち受けにして折々に意識するのも良いでしょう。
この花言葉を贈るのに特に合わないのは家族です。
家族がうるさいと感じ始めた時にすべきは、原因の解消で、静かにさせる事ではありません。
「殺してしまいたいほど愛してる」
「ハシリドコロ」は、江戸時代に「フィリップ・シーボルト」が「ベラドンナ」の代用品になる事を発見しています。
ベラドンナも毒草ですが、薬用にもなり、古くは媚薬としての効果も期待されました。
瞳孔を散大させる作用から、瞳を美しく見せる化粧の1つとしてルネサンス期の貴婦人に流行した事もあります。
こうして恋と毒のイメージが結び付き出来たのが、この花言葉です。
「共に」ならともかく、相手だけとなると共感は困難です。
昔の芝居がかった定型表現と考えるべきでしょう。
他人に贈るには向かない花言葉です。
創作で、キャラクタのイメージで使う事は出来ます。
「ハシリドコロ(走野老)」の豆知識
「ハシリドコロ」の「ハシリ」は、毒に苦しみ走り回るというイメージから付いた名前です。
「トコロ」の方は、根がユリ科の植物「野老(トコロ)」に似ている事から付きました。
「ハシリドコロ」を誤食する理由としては、フキノトウとの混同があります。
山で山菜を見かけると、食べてみたくなるかも知れません。
けれど、それが他の動物に食い尽くされない意味をまず考えましょう。
不味いか、それに毒があるか、似たものに毒があるという3択になるのです。
まとめ
毒草のイメージが強い「ハシリドコロ」ですが、花は可愛らしいものです。
花言葉を知り、知識を深めれば、人間に役立った歴史にも触れられるでしょう。
花を多面的に見せてくれる、花言葉を是非参考にして下さい。