「ダッチアイリス」はアヤメ科アヤメ属の多年草です。
「オランダアヤメ」と呼ばれることもあります。
その名の通りオランダ生まれのアイリスであり、丈夫で育てやすいのでアイリスの中では比較的ポピュラーです。
なおアイリスはアヤメ科アヤメ属の仲間を指す言葉であり、観賞用に栽培される代表的なものとしては他にアヤメ、ハナショウブ、ジャーマンアイリス(ドイツアヤメ)、カキツバタなどがあります。
アイリスは全体的に丈夫で育てやすいものが多いうえ、独特な形をしたその花が美しいとされているので切り花や鉢植え、花壇などに利用されることも多いです。
なお「ダッチアイリス」の開花期は4〜6月で、主な花色としては白、黄色、青、紫色などがあります。
「ダッチアイリス」の花言葉
「ダッチアイリス」の花言葉は「和解」「吉報」などです。
これらはギリシャ神話に登場する女神イーリスからきています。
イーリスは虹の女神で、遠くの場所へも素早く移動できることで知られていました。
そしてイーリスは、その能力を生かして女神ヘーラーの忠実な伝令として仕えていたのです。
ところがある時、「エーロス(性愛の神)はイーリスとゼピュロス(西風の神)の子である」というあらぬ噂を流されてしまいます。
しかしゼウス(最高神)がアフロディーテ(愛と美の神)に浮気をしてできた子がエーロスであるという真実をゼウスの本妻であるヘーラーは知ってしまい、大激怒。
しかもその怒りの矛先はイーリスに向けられることになってしまいました。
ところがイーリスはまったく弁解することなくただ涙するだけであったため、ヘーラーはこれを見て怒りを収めます。
つまり「和解」は偉大な神の怒りをも鎮めるイーリスの手腕から、「吉報」はイーリスの伝令としての優れた能力からきているのです。
ゆえにどうしようもなくこじれてしまったトラブルが解決するよう祈りを込めて飾る、努力や計画がすぐに吉報となって返ってくるよう願って植えるなどといった使い方が考えられます。
なお、アイリスの名はこの女神イーリスからきています。
またこの事件がきっかけとなって、後にイーリスとゼピュロスは本当に夫婦となりました。
「ダッチアイリス」の豆知識
「ダッチアイリス」は球根アイリスと呼ばれるものの一種です。
夏(7〜9月)になると球根の姿で休眠して夏を越すという性質があります。
土の温度が上がり過ぎたり、高温多湿な環境に置かれ続けたりすると球根が傷んでしまうことがあるので、休眠期には球根を掘り上げて暗く、風通しの良い涼しい場所に干してやると良いでしょう。
また日当たりや水はけの良い場所を好み、ジメジメした環境を嫌うので水のやり過ぎにはご注意を。
逆に乾燥には強いので、外で育てるなら自然降雨だけでも十分なくらいです。
また酸性土壌を嫌うので、pH調整用の苦土石灰を用意しておくと良いでしょう。
まとめ
「ダッチアイリス」はアイリスの一種で、「オランダアヤメ」と呼ばれることもあります。
丈夫で育てやすいということもあり、アイリスの中では比較的ポピュラーです。
花言葉は「和解」「吉報」などですが、これらはギリシャ神話に登場する虹の女神イーリスからきています。