「セキチク(石竹)」は、ナデシコ科ナデシコ属の一年草です。
茎の硬さから「石」、葉の形から「竹」の連想で付いた名で、「タケ」とは全くの別種です。
中国原産で、日本では平安時代には見られ、『枕草子』に草花の最も好ましいものとして記述されています。
花は直径5cmほどで、花弁5枚、端に「カワラナデシコ(河原撫子)」同様に切れ込みが入ります。
色は白から赤、複色で、花期は4月から5月です。
今回は、「セキチク」の花言葉について解説します。
「セキチク(石竹)」の花言葉
「女性の美」「いつも愛して」「大胆」「あなたが嫌いです」といいます。
良い花言葉と悪い花言葉が混在しており、そのまま贈ると絶交の意味になってしまうので、意図は正しく伝えましょう。
「女性の美」
「セキチク」は、「カラナデシコ(唐撫子)」の別名があり、「ナデシコ」の一種として扱われます。
「大和撫子」という言葉がある通り、理想的な女性像がイメージされた花言葉です。
同じ由来で「貞節」という花言葉も付いています。
ここで言う「美しさ」は、容貌だけでなく、心や所作の美しさも含めたものです。
昨今でも、女性に限らなければ、大事な事と言えます。
何かしら美しさを感じる人へ贈り讃えるのに向きます。
「いつも愛して」
美しい花の様子から付いた花言葉です。
「いつも」という事で、「思慕」「純愛」「粋な愛」「中年の恋」「お見舞」など、様々な愛される要素の花言葉が付いています。
いつでも愛する事は難しいようですが、大事なのは相手がそれに気付くかどうかです。
感受性の高い相手であれば、雰囲気からでも察してくれますが、鈍い相手には形が必要になります。
この差が相性で、端から見ると冷えているようでも、本人達は愛が通じ合っているという場合もあるのです。
愛情表現として贈るのに向きます。
「大胆」
「セキチク」の伝説が由来になった花言葉です。
昔、悪魔が宿ると言われた大きな岩があり、風を起こしたり声を出したり、人々に気味悪がられていました。
これを聞いた、島田時主という豪傑が、この岩に矢を射かけたところ、竹である筈の矢が岩に深々と突き刺さり、以降岩が悪さをする事はなくなりました。
この矢が抜けぬまま芽を出し、咲いたのが「セキチク」だった、というものです。
問答無用で矢を打ち込む「大胆」「快活」「無邪気」、判断の早さから「至急」、見事に当てた「才能」などの花言葉も付いています。
大胆で実行力がある人へ贈り褒めたり、自分の実力向上を願い部屋へ飾るのに向きます。
「あなたが嫌いです」
こちらも「セキチク」の伝説が由来です。
嫌われた悪魔に対するイメージです。
今の時代の感覚で見れば、悪魔は喋るだけで無害だったのでは、と思いそうです。
ですが、日本には、「言葉自体に力がある」という「言霊信仰」があります。
動きの取れない岩でも、喋れるなら、充分人を害する可能性はあったのです。
この花言葉を嫌いな人へ贈って、「察して欲しい」と思っても無駄です。
そういう意思疎通が出来ないから、嫌いになったのでしょう。
唯一、エイプリルフールには役立ちますが、フォロー出来る距離にいる間にネタばらししましょう。
まとめ
「セキチク」は美しい花です。
花言葉を知ると、意外な一面にも触れられるでしょう。
花との距離を近づけてくれる、花言葉を是非参考にして下さい。