「クワノハイチゴ」はバラ科キイチゴ属の半つる性低木です。
名前はその葉が桑の葉に似ていることと、赤く丸いキイチゴらしい実を付けることから。
沖縄にのみ分布する珍しい種で、日当たりの良い林のような場所を好みます。
花の色は白で、花期は3~4月。
茎には小さなトゲがあります。
「クワノハイチゴ」の花言葉
「クワノハイチゴ」に花言葉はありません。
キイチゴ属の大本であるキイチゴには「愛情」「謙遜」「同情」「先見の明」「幸福な家庭」などの花言葉があるので、「クワノハイチゴ」にあえて花言葉を与えるならこれらか、これらに近い言葉から選ぶことになるでしょう。
中でもその実が人間を含む様々な動物にとっての恵みとなることに由来する「愛情」や、葉に対して小さい花に由来するという「謙遜」は特に「クワノハイチゴ」に合っています。
「クワノハイチゴ」の豆知識
沖縄はキイチゴの仲間が数多く根付く場所です。
中でもホウロクイチゴ、リュウキュウイチゴ、リュウキュウバライチゴ、ナワシロイチゴなどといった種は琉球王国において「タカイチュビ(タカイチュピ)」と呼ばれ、栽培・利用されていたという記録が残っています。
それらを食べると子宝に恵まれやすくなるという記述もあることから、王族を含むやんごとなき人々も好んで食べていたのではないかと考えている人もいるくらいです。
こういった種と比べると「クワノハイチゴ」は残念ながらマイナーだと言わざるを得ず、また今の時代においても多くのデータがあるわけではありませんが、過去に他のキイチゴ類と共に栽培・利用されていた可能性は無いとは言えないでしょう。
またよく似た姿形のタイワンウラジロイチゴとはしばしば混同・同一視されるようです。
タイワンウラジロイチゴと比較すると「クワノハイチゴ」は葉の形が全体的に丸く、花床筒や萼片に長毛があり、腺毛がないという点で見分けられるそうですが、はっきり言って見分けるのは簡単ではありません。
まとめ
「クワノハイチゴ」は沖縄にのみ分布するキイチゴの仲間で、その葉が桑の葉に似ていることからこの名が付きました。
春に白い花を咲かせた後、キイチゴらしく赤くて丸い実を付けます。
花言葉はあえて付けるなら「愛情」「謙遜」など。
ただしよく似た種の存在もあり、生で「クワノハイチゴ」の花を見るのは簡単なことではありません。