ウシクグはカヤツリグサ科ヤカツリグサ属の一年草です。
日本では北海道から九州にかけて分布し、湿地や水田の畦などで生育します。
大陸では中国より南とシベリア東部に分布します。
8月から10月にかけて、茎から、最大20cm程になる枝を5~7本伸ばして小穂を付けるため、かなり空間を取ります。
ここでは、ウシクグの花言葉について解説します。
「ウシクグ」の花言葉
「伝統」といいます。
ウシクグ固有の花言葉はないため、カヤツリグサ科全体の花言葉があてはまります。
由来は古代エジプト文明まで遡ります。
古代エジプト文明では、記録に石版だけでなく紙を使用しており、その材料と紙自体をパピルスと呼びました。
このパピルスがカヤツリグサ科のカミガヤツリでした。
パピルスはエジプト国内だけでなく、輸出品としてヨーロッパにもたらされ、紀元後800年頃に中国から紙が入ってくるまで利用されました。
その文化的な影響は大きく、英語のペーパーの語源となった他、パピルスの積み出し港だったビブロスが、聖書をあらわすバイブルの名の元になりました。
このように歴史と伝統を築いた事から付けられた花言葉です。
歴史や伝統を重んじる人への贈り物や、伝統ある賞の受賞祝いなどに向きます。
個人相手でない場合も、伝統ある組織や施設のシンボルとして飾るのに向いています。
自分で飾る場合は、歴史趣味が合えばそのまま自分のイメージとして、そうでなくても興味を持つきっかけになるでしょう。
この花言葉が合わない相手としては、まだ若くて伝統と無縁な人や組織、また、伝統を打ち破る挑戦的な公約を掲げる政党などが挙げられるでしょう。
「ウシクグ」の豆知識
ウシクグの「ウシ」とは家畜にもされる牛を意味し、「クグ」は茎の部分がクク縄の材料になったからと言われています。
クク縄はクゴ縄と同一視され、クゴは同じカヤツリグサ属のシチトウを意味します。
ひとまわりして別の植物になっていますが、同じ属の植物にしばしば起こる事です。
このクグ縄は、穴あきの銭をくくる紐に使われたそうです。
このような銭をまとめるヒモを繦(ぜにさし)とも呼びました。
では牛の方はどういう由来なのでしょうか? これは飼料としていた訳ではなく、一般品種と比べて大きい事から、身体の巨大な牛に見立てたものです。
確かに枝を広げた姿は、近縁のイヌクグなどと比べてかなり大きく見えます。
まとめ
ウシクグは姿に面白みのある草です。
花言葉を知れば、より印象が深まるでしょう。
ありふれた風景により興味が湧く花言葉を、是非心に留めておいて下さい。