「イワシモツケ(岩下野)」はバラ科シモツケ属の落葉低木です。
また貴重な日本の固有種でもあり、北海道〜本州(近畿地方以北)に分布しています。
名前通り高山帯の蛇紋岩地や石灰岩地に生え、シモツケに似た白い花を咲かせるのが特徴です。
開花期は5〜7月で、樹高は1〜2mほど。
野生のものは個体数が少なく福島県、茨城県、埼玉県、山梨県、愛知県では絶滅危惧Ⅰ類に、東京都、新潟県、石川県では絶滅危惧Ⅱ類に指定されていますが、まれに山野草の専門店などで販売されたり、観賞用に栽培されたりすることがあります。
「イワシモツケ」の花言葉
「イワシモツケ」の花言葉は「無駄」「雰囲気の良い人」です。
このうち「無駄」はシモツケと共通のものとなっています。
そしてこの花言葉は、中国に伝わる戦争と少女に関するエピソードからきたものです。
それは戦国時代に生きた繍線(しゅくせん)という少女が、男装して果敢にも敵に捕まった父を救いに行ったものの、残念ながら父はすでに亡くなっており、悲しんだ繍線が父の墓にあった花を故郷に植えたところ、きれいな花を咲かせたのでそれは繍線菊(現在でいうシモツケの花)と呼ばれるようになったというもので、争いの無意味さ、無益さを表していると考えられています。
よって「平和」や「平穏」という花言葉を持つ花と同じようにも使えるでしょう。
一方、「雰囲気の良い人」という花言葉が何に由来するのかは不明ですが、花は明るい雰囲気で美しいと評されています。
「イワシモツケ」の豆知識
「イワシモツケ」には主に長野県に分布するナガバイワシモツケ、主に東北地方の石灰岩地帯に分布するマルバイワシモツケ、主に和歌山県の蛇紋岩地帯に分布するキイシモツケ、主に四国に分布するトサシモツケといった品種が存在しますが、現在ではナガバイワシモツケとマルバイワシモツケは「イワシモツケ」に含むという考え方が有力です。
また園芸品種のものは極端な暑さを避け、風通しの良い環境を確保してやれば園芸用土でも育てることができます。
まとめ
「イワシモツケ」はバラ科の落葉低木に分類される貴重な日本固有種で、「無駄」「雰囲気の良い人」といった花言葉を持ちます。
野生のものは一部都道府県で絶滅危惧種に指定されていますが園芸品種が出回ることがあり、環境を整えてやれば街でも育てることができます。