実も花も楽しむことが出来るアンズは、バラ科サクラ属の落葉樹です。
別名でカラモモ、英名でアプリコットとも呼ばれます。
東洋系品種は中国で原産・改良されたもので、酸味の強い品種が多く、梅の交雑もあったようです。
今回はアンズの花言葉について、解説します。
「アンズ」の花言葉
「乙女のはにかみ」「不屈の精神」「疑い」があります。
意味合いに統一性がないため、贈り物にする時は、悪く勘ぐってしまわない、良好な関係の相手に留めた方が良さそうです。
自分自身に対してなら勘違いはないので、部屋に飾ったり、庭に植えたりしても良いでしょう。
「乙女のはにかみ」
アンズはサクラに似た花をつけますが、時期はサクラよりも先の早春です。
この花言葉は、その遠慮がちに恐る恐る咲く姿から付けられたものです。
「臆病な愛」という花言葉もありますが、同じイメージから付いたものです。
遠慮がちながらも、ちゃっかり先手を取っている事から、弱々しいばかりではない芯の強さを覗わせます。
「不屈の精神」
初春の冷たい暴風に耐えながら咲く、強い花のイメージです。
誰かへのエールにしたり、自分を鼓舞するために花を部屋に飾ったり、アンズジャムを食べたり、応用範囲の広い花言葉です。
「疑い」
この花言葉の由来には、諸説があります。
まず、花の性質によるもの。
サクラの前に花が咲くので、それを見た人が季節を疑ってしまうのです。
次に旧約聖書が元になったという説があります。
旧約聖書の中で、純真だった人間に余計な知恵を付け、神への疑念を抱かせるきっかけになったのが「知恵の実」です。
一般的にはリンゴと描写されますが、アンズであったとも言われ、これによって「疑い」「疑惑」という花言葉がついたのです。
最後は中国由来の説です。
「李下に冠を正さず」という諺があります。
果実を付けた樹木の下で頭の冠の位置を直すために手を挙げると、果実を盗んでいるように見える事から、「他人から疑わしく見える行動は慎む」という意味です。
ここで語られる果実「李」はスモモですが、アンズと混同したために付いた花言葉で、実際姿も似通っています。
ちなみにスモモにも、「誤解」という同じ由来の花言葉が付いています。
「アンズ」の豆知識
アンズの種は杏仁という漢方薬になります。
杏仁は苦みの強いものなので、食べやすくするため、すりつぶして白い絞り汁を取り、これを固めてシロップに浮かばせたものが、杏仁豆腐です。
つまり杏仁豆腐は、元は薬だった訳です。
また、中国では「杏林」が医師の美称となっています。
これは名医である董奉の故事が元になっています。
董奉は謝礼を受け取らずに貧しい人の治療もしましたが、それでもお礼をしたいという患者が絶えませんでした。
「ならば薬になるアンズの苗木を、軽い病気なら1株、重病なら5株、うちの庭に植えて欲しい」と頼みました。
すると数年のうちに多数の杏が植えられ、林になるまで成長したのです。
まとめ
アンズの花はサクラに先んじて春を告げる美しいものです。
そして果実はジャムなどで長く楽しむ事が出来ます。
これに加えて花言葉を知れば、一層親しみが湧くでしょう。
見知った花の魅力を再発見できる、花言葉を是非参考にして下さい。