「アマポーラ」は、ケシ科ケシ属の一年草です。
和名は「ヒナゲシ(雛芥子)」で、「アマポーラ」はスペイン語の呼び方です。
ヨーロッパ中部原産で、日本へは江戸時代に渡来しました。
花は薄くシワの紙のような花弁4枚で、花色は白から赤、花期は4月から7月です。
今回は、「アマポーラ」の花言葉について解説します。
「アマポーラ」の花言葉
「慰め」「七色の恋」「陽気で優しい」「別れの悲しみ」他、多数の花言葉が付いています。
様々な意味があり、悲しい意味もあるため、贈る時は意図を明らかにしましょう。
「慰め」
ケシ属共通の花言葉です。
古代ギリシャ神話において、いなくなった娘を探し、疲れ切った女神デメテルを眠らせ、再び活力を取り戻させた花とされています。
ケシの催眠作用、いわゆる麻薬成分の事ですが、「アマポーラ」は品種が違い、そういう成分はありません。
同じ由来で「労り」「思いやり」「心の平静」「休息」、麻薬成分として「妄想」、また頑張れる意味で「忍耐」、デメテルが司る「豊穣」、気遣いへの「感謝」という花言葉も付いています。
何かしら頑張っていたり、辛い状況にある人へ贈り、手助けを申し出る時に向きます。
「七色の恋」
こちらもケシ属共通の花言葉です。
「アマポーラ」の色数はそこまで多くありませんが、ケシ属全体で見るとカラフルで美しいものです。
「乙女らしさ」「恋の予感」という花言葉も付いています。
若い頃は、ちょっとした事で恋してしまうものです。
恋に積極的な友人へ贈るのに向きます。
一方、恋の告白に添えると、誰彼かまわず声をかけているように伝わり、逆効果です。
「陽気で優しい」
「アマポーラ」の繊細でありつつ、大きく開く花の様子から付いた花言葉です。
優しい人というと物静かなイメージもありますが、陽気な人も優しくなれるものです。
ポジティブさで相手の行動を良い意味に解釈出来るので、陰気な人だと嫌になり見捨てるような人にも優しく出来るのです。
一緒にいると釣られて元気になるような人へ贈るのに向きます。
一方、自分は陽気なつもりでも、人を貶め、笑いを取ろうとする人には合いません。
「別れの悲しみ」
「アマポーラ」には「虞美人草(グビジンソウ)」という名もあります。
紀元前200年代、中国で覇権を争った項羽と劉邦に関するエピソードです。
戦いは強かった項羽ですが、人に任せられない性格から人望を失い、次第に劉邦に追い詰められていきました。
いよいよとなった時、愛妾の「虞」は敵の手に落ちる事を拒み、自ら命を絶ち、その血から「アマポーラ」が生まれたというものです。
他に、「アマポーラ」の花が受粉後すぐに散ってしまう性質としても意味が合います。
「もろい熱愛」という花言葉も同じ由来です。
恋人と破局した時に贈ると意味が合いますが、同じ気持ちという事はないので、刺激しない方が良いでしょう。
「アマポーラ」の豆知識
「アマポーラ」は、複数の呼ばれ方をするため、混乱しやすい花です。
日本は「ヒナゲシ」、中国では「虞美人(草)」、フランス語で「コクリコ」、英語で「ジャーレイポピー」です。
単に「ポピー」と呼ばれる事もありますが、他のポピーと見分けたい時には向きません。
まとめ
「アマポーラ」は繊細で美しい花です。
花言葉を知れば、その切ない由来にも触れられるでしょう。
花をより身近に感じさせてくれる、花言葉を是非参考にして下さい。