ハワイのレイに使われる花でもある「イリマ」はアオイ科キンゴジカ属の常緑樹です。
太平洋諸島原産で、海岸から標高600mほどの場所にも生育します。
花は花弁5枚で、花色は明るい黄色からオレンジへ変わり、1日でしぼむ1日花です。
淡い緑や暗い赤になるものもあります。
花期は5月から10月です。
今回は、「イリマ」の花言葉について解説します。
「イリマ」の花言葉
「あなたを誇りに思います」といいます。
これは、ハワイの神話が元になった花言葉です。
ポリネシアには、共通の英雄「マウイ」の神話があります。
彼は、歩くのにも苦労するほど近かった天と地を広げ、ハワイ諸島を海中から釣り上げ、太陽や風の動きを整えるなど、世界を今の形にした偉大な英雄です。
彼の偉業の1つに、怪物退治があります。
ハワイ諸島の人々は、巨大なウナギの怪物「トゥナ」を恐れ、島を離れていましたが、マウイが討伐した事で戻って来ました。
マウイが討伐したトゥナを焼いたところ、そこからココナツが生えてきたといいます。
彼の妻の「ヒナ」(母や姉の場合もあります)は、彼に「イリマ」のレイを与え、「あなたを誇りに思う」と、偉業を讃えたのです。
誰もが褒め讃えるような偉業は簡単には果たせるものではありません。
ですが、そこに向かう事は出来ます。
誰かの偉業の一部だったとしても、それは十分誇るに値する事でしょう。
事の大小や貢献の度合いで、誇るかどうか判断するのは意味のない事です。
誇りは心から湧き出るものですから、そう思ったなら誇れば良いのです。
当然、他人に褒める事を要求するのは意味がない事でしょう。
それでも尚、人から誇りに思われる事があるなら、それは素晴らしい事です。
何かしら物事を成し遂げた親しい人へ贈るのに向く花言葉です。
何も成し遂げてはいなくても、高潔な振る舞いを見せた子供にも合います。
「イリマ」の豆知識
ハワイでは「イリマ」はレイの材料になります。
オアフ島を代表するレイで、1つのレイに500枚から1000枚の花弁を必要とします。
その形は一般的なイメージのレイとは違い、猫の尾のように緻密で柔らかな見た目になります。
「イリマ」のレイは、かつては「ロイヤルレイ」と呼ばれ、王族のみに着用が許されたものでした。
まとめ
「イリマ」は、現地ではごく有り触れた野の花で、見過ごしてしまう事もあるでしょう。
花言葉を知り、興味を深めれば、土地の神話にも触れられるでしょう。
文化への知見を広めるきっかけにもなる、花言葉を是非参考にして下さい。