和食の飾りで知られる「ハラン(葉蘭)」は、キジカクシ科「ハラン」属の多年草です。
かつては中国原産と言われていましたが、現在では九州南部原産と考えられています。
花は多肉質で地上すれすれに咲き、色は紫色、花期は5月です。
薄いけれど硬く艶やかな葉は、鑑賞用の他、和食で飾りや殺菌のためにも使われます。
これを真似たのが、プラスチックの「人造バラン」で、市販の弁当や寿司パックなどにしばしば入れられています。
今回は、「ハラン」の花言葉について解説します。
「ハラン(葉蘭)」の花言葉
「強い心」「強い意志」「平癒」といいます。
葉の姿と薬効のイメージから付いた、良い花言葉が揃っており、イメージが合う人への贈り物に向きます。
「強い心」
常緑で丈夫な葉の性質から付いた花言葉です。
心の強さは様々な方向性があります。
独りでいるのが強いのか、皆といる方が強いのか、というのも意見が分かれるところです。
強くなる過程や理由よりも、どれだけの困難にスマートに対応出来たか、という結果で語る方が腑に落ちるでしょう。
そこで活かされるなら、単純な心の強さもあれば、リスクへの想像力であったり、やせ我慢で動揺を見せないプライドでも良いのです。
あなたが「心が強い」と思う人へ、贈り讃えるのに向きます。
一方、困難に動揺するだけでなく、周囲へ当たり散らす人には、特に向きません。
「強い意志」
こちらも真っ直ぐな葉の印象から付いた花言葉です。
修行を頑張る料理人のイメージでも良いでしょう。
意志とは、何かしようという、はっきりした方向性のある意向を表します。
当然、「強い意志」ともなれば、ただ「やろうと思っている」という段階ではなく、行動にも表れているものです。
一方、意向に反する結果になった時、粘り強く再挑戦する人もまた、強い意志を持つと言えるでしょう。
何かしら夢や目標に向け、邁進している人へ贈るのに向きます。
自宅に植えて、自分に気合いを入れるのも良いでしょう。
「平癒」
「ハラン」は葉に殺菌作用があり、多少の食中毒を防ぎます。
また根茎は、漢方の「蜘蛛抱蛋(チチュホウタン)」という生薬になり、去痰、強心、強壮などに効能があるとされます。
これらにより、身体を癒し、健康を保つというイメージから付いた花言葉です。
病気に限らず、不調は独りで癒すのは難しいものです。
明確に何かしてくれた訳でなくても、気遣ってくれた人はいるものです。
一緒にいて癒される人や、辛い時に救いになった人へ、感謝と共に贈るのに向きます。
「ハラン(葉蘭)」の豆知識
「ハラン」は昔、「ラン(蘭)」に似た葉で、特に大きい事から「馬蘭(バラン)」と呼ばれていました。
これが江戸時代には、濁点が落ち「ハラン」と呼ばれるようになっていました。
これに字を合わせ「葉蘭」としたのです。
一方人造バランは、「人造」と「ハラン」が並んだ事で、濁点が付いたものです。
これは「連濁」という日本語で時折起きる現象です。
他の例としては「ゴミ箱(バコ)」「流れ星(ボシ)」「綿毛(ゲ)」などがあります。
まとめ
「ハラン」は代用品の方が身近な植物かも知れません。
花言葉を知り、興味を深めれば、本物の美しさに気づけるでしょう。
植物との距離を近づけてくれる、花言葉を是非参考にして下さい。