「スグリ」は、「スグリ」科「スグリ」属の総称です。
150種ほどが含まれる種で、北半球に分布しています。
大きく「セイヨウスグリ」「フサスグリ」「クロスグリ」に分けられますが、いずれも酸味が強めの果実が付き、ジャムやリキュールなどに利用されます。
お酒を飲む人なら、「カシス」の名で知られる「クロスグリ」は身近なものでしょう。
今回は、「スグリ」の花言葉について解説します。
「スグリ」の花言葉
「あなたの不機嫌が私を苦しめる」「あなたを喜ばせる」「感謝の気持ち」といいます。
良い意味と悪い意味が混在しており、そのまま贈ると「どういうことだろう」と、戸惑わせるだけです。
どの花言葉の意味で贈っているか、意図を正しく伝えましょう。
「あなたの不機嫌が私を苦しめる」
「スグリ」の枝にトゲがある事から付いた花言葉です。
おいしい果実にトゲは付き物です。
「イチゴ」にも「ミカン」にも「ナス」にも鋭いトゲがあります。
動物に狙われやすくなるので、守るのは当たり前の事です。
一方、硬く丈夫なトゲは、多くの養分を必要とし、光合成には役立たない事から、危険がなければ作らない方が良い組織です。
人間でも、意味なく不機嫌にはなりません。
何かしら原因があるものです。
歩み寄り原因を解消する気持ちが大切でしょう。
不機嫌な人へ贈り、心から気遣っている事を伝えるなら、良い意味の花言葉です。
一方、不機嫌な態度をやめろ、という押しつけなら火に油を注ぐだけです。
「あなたを喜ばせる」
「スグリ」の果実が、見た目に美しく、加工次第で、食べてもおいしく、人を喜ばせる事から付いた花言葉です。
西洋の最も良い季節という、夏至の訪れを告げるように実り始める事も、意味が合います。
人を喜ばせる方法は様々です。
一緒にいて長続きするのは、価値観が同じ人です。
ある程度の違いは視野を広げる事になり良いのですが、本当に悲しい事や辛い事など、感情に深く根ざして変えられない部分については、共感して貰えないと一緒にいる意味もなくなってしまいます。
何かしら、相手を喜ばせる贈り物などへ添えるのに向く花言葉です。
「感謝の気持ち」
そのおいしさから、感謝の贈り物に良いという意味でも合いますが、西洋ではキリスト教に関する由来が付いています。
赤い「スグリ」は「ヨハネスベリー」と呼ばれます。
これは、「スグリ」が6月24日の「聖ヨハネ祭」の頃に熟す事から付いた呼び名です。
「聖ヨハネ」は、「洗礼者ヨハネ(バプテスマのヨハネ)」の事で、「イエス」に洗礼を施した聖人です。
聖ヨハネ祭で、人は天の恵みに感謝し、健康と幸福を祈ります。
そこから付いた花言葉です。
感謝の気持ちは、得られた喜びを大きく膨らませてくれます。
何かしら、感謝の気持ちと共に贈るのに向く花言葉です。
一方、感謝の気持ちを要求して贈ってはいけません。
感謝の強要が必要な時点で、その関係は破綻しています。
「スグリ」の豆知識
「スグリ」は漢字で「酸塊」と書きます。
酸っぱい塊、つまり果実という意味になります。
一方、「クリ(栗)」が思い浮かびますが、こちらの語源は、「黒い実」、または「石」の古語など、「スグリ」と直接の関係はありません。
まとめ
「スグリ」は日本ではそこまで身近ではない果実です。
花言葉を知れば、植物としての姿にも興味が向くでしょう。
植物との距離を近づけてくれる、花言葉を是非参考にして下さい。