「ヤマナシ(山梨)」は、バラ科ナシ属の落葉樹で、果樹である「ナシ」の野生種です。
海外では中国、朝鮮半島、国内では中部地方以南から九州にかけ分布しています。
一説では中国から渡来した個体が逸出したものとも言われています。
直径3cm程の白い花が複数まとまって咲き、花期は4月から5月です。
果実は9月から10月に実り、黄褐色でナシと同じ形をしていますが、サイズは直径3cm程と小さく、渋みがあり通常は食用になりません。
今回は、「ヤマナシ」の花言葉について解説します。
「ヤマナシ(山梨)」の花言葉
「愛情」「慰安」といいます。
ナシに共通する花言葉です。
良い意味の言葉で、好ましい相手への贈り物に向きます。
逆に関係が浅い相手には、距離感が合わないでしょう。
「愛情」
ナシ属の花が白く清らかで、愛情深いイメージがある事から付いた花言葉です。
また、果実をたっぷり実らせ、人や動物のお腹を満たしてくれる事も意味が合います。
「宮沢賢治」の作品『やまなし』において、野生の残酷さに触れ怯えるカニの兄弟が、落ちて来た「ヤマナシ」によって慰められています。
これも、神により天からもたらされた恵み、すなわち「愛情」の比喩と解釈できます。
愛情深く、困っている人は放っておけない友人へ贈るのに向く花言葉です。
家族への愛情の形として、庭に植えるのも良いでしょう。
愛情深く子供の面倒を見るという意味で、幼稚園の敷地に植えても意味が合います。
「慰安」
8世紀頃、中国の王朝「唐」の「玄宗皇帝」が、ナシの木を植えた「梨園」に芸人達を集め、音楽などの芸を磨かせました。
彼らが身に付けた、心を慰め楽しませるパフォーマンスからイメージされた花言葉です。
一緒にいると心が安らぐ人へ贈るのに向く花言葉です。
落ち着いた時間を過ごせる観光ホテルのディスプレイにも向きます。
この花言葉が合わないのは、一緒にいると楽しいけれど、ハラハラドキドキするタイプの人です。
悪い訳ではありませんが、方向性は違います。
「ヤマナシ(山梨)」の豆知識
「ヤマナシ」というと、「山梨県」が連想できます。
県名の由来としては、昔、その地域に「ヤマナシ」の木が多かった、というのが1つ目です。
次に山を平地にした、つまり「やまならし」が転訛した、というものがあります。
3つ目が、国司(役所)が平らな場所に設置され、その狭い範囲「山無し」が地名で定着した後、県名に採用されてしまった、というものです。
まとめ
「ヤマナシ」は、果実にも花にも特徴があります。
花言葉を知れば、より好ましく感じられるでしょう。
植物との距離を近づけてくれる、花言葉を是非参考にして下さい。