「セキショウ(石菖蒲)」はショウブ科ショウブ属の多年草です。
名前はショウブに似ていることと、岩場に生えることに由来するとされています。
とはいえ見た目には小さくない違いがあり、例えばショウブの葉はピンとまっすぐに伸びるものが多いのに対し、「セキショウ(石菖蒲)」の葉は細く、途中で曲がるものが少なくありません。
個体によってはガーデニングなどでよく用いられるリュウノヒゲ(ジャノヒゲ)に近い姿になります。
またショウブが紫色の立派な花を咲かせるのに対し、「セキショウ(石菖蒲)」の花は穂状で色は黄緑色~クリーム色です。
ショウブの花と違い「セキショウ(石菖蒲)」の花は葉の中に埋もれがちなうえ、葉と同じように細く、鮮やかな色も持たないため、「セキショウ(石菖蒲)」は花より葉を愛でる植物とされています。
開花期は5~7月です。
「セキショウ(石菖蒲)」の花言葉
「セキショウ(石菖蒲)」に花言葉は与えられていません。
しかし花言葉を与えるのなら「謙虚」や「鎮痛」などが良いでしょう。
「謙虚」はひっそりと咲くその花の様子から、「鎮痛」はその薬効から来たものです。
漢方の分野では根茎を干したものを「石菖根(せきしょうこん)」と呼び、鎮痛、健胃、てんかん、リウマチなどに良い生薬として用います。
また蒸し風呂やサウナに使う薬草として利用されることもあり、こちらの用途ではリラックス効果や自律神経を整える効果などが期待できるそうです。
「セキショウ(石菖蒲)」の豆知識
「セキショウ(石菖蒲)」は日本だけでなく、中国やインド、ベトナムなどにも分布しています。
川辺や湿地などジメジメした場所を好み、日光をあまり必要としません。
おまけに暑さにも寒さにも病害虫にも強いため、水分さえあればとても丈夫な種であると言えます。
ゆえに栽培するのは比較的容易です。
また市場でも普通に入手することができ、日本においては主に日本庭園、盆栽、ビオトープなどに使われています。
加えて別府温泉など一部地域では蒸し風呂に使う薬草として利用されているほか、漢方薬にもなる使い道の多い薬草です。
まとめ
「セキショウ(石菖蒲)」はショウブの仲間で、日本庭園やビオトープなどでその姿を見ることができます。
ショウブと違い花は地味であまり目立たないため、観賞価値が認められているのは主に葉です。
それゆえか花言葉は与えられていませんが、花言葉を付けるなら「謙虚」や「鎮痛」などが良いと考えられます。
これらはその花の様子や、薬効から来ているものです。