「コウヤボウキ」という花をご存じですか。
別に「タマボウキ」「ウサギカクシ」などと呼ばれることもある、キク科コウヤボウキ属の落葉小低木です。
日本、中国が原産国で、関東地方以西の山中に自生しています。
今回はそんな「コウヤボウキ」の花言葉について詳しく見ていきましょう。
「コウヤボウキ」の花言葉「清掃」
「コウヤボウキ」の花言葉ひとつめは「清掃」です。
この花言葉は「コウヤボウキ」が昔箒の材料として使われていたことに由来します。
箒と言えば有名なのが竹や棕櫚の樹皮ですが、名前のもとになった高野山では弘法大師の教えから果樹や竹などを栽培してはならないことになっていました。
そこで別の材料で箒を作るため選ばれたのが「コウヤボウキ」の枝だったのです。
いまではすっかり箒としてのお役は御免になった「コウヤボウキ」ですが、花言葉として昔の働きが残ることになりました。
「コウヤボウキ」の花を飾れば、誰でもきっとお掃除上手になれるはずです。
「コウヤボウキ」の花言葉「働き者」
「コウヤボウキ」の花言葉には「働き者」というものもあります。
これも「コウヤボウキ」が高野山で掃除の道具として使われていたことに由来しています。
仏教での清掃は大切な魂の修行のひとつとされていますので、「コウヤボウキ」も毎日幾度も使われたに違いありません。
仕事を頑張りたい人はぜひ「コウヤボウキ」をそばに置いてみてください。
かつての「働き者」だった清楚な佇まいが、きっとあなたに良い刺激を与えてくれることでしょう。
「コウヤボウキ」の豆知識
「コウヤボウキ」には「タマボウキ」という別名がありますが、これは大伴家持が『万葉集』で「初春の初子の今日の玉ばはき手に取るからにゆらく玉の緒」と詠んだほど由緒のある呼び名。
古来正月の初子の日に蚕のお部屋を掃除するものとして「コウヤボウキ」が使用されたのです。
箒の先には玉が結ばれてあり、それが手に取ると夢のように揺らぐ光景が読まれています。
この「タマボウキ」は正倉院に「子日目利箒(ねのひのめとぎほうき)」という名で現存しているそうで、ぜひ一度本物を見てみたくなりますね。
まとめ
「コウヤボウキ」の花は小さく目立たないものですが、いじらしく咲いている姿が哀れを誘う、と秋の活け花でよく使われる花材でもあります。
古より人の役に立ってきた「コウヤボウキ」、その歴史を思いながらお部屋に飾ってみてはいかがでしょうか。