「憎悪」は、「激しく憎む」といった意味になります。
誤解を与えるネガティブなメッセージになるため、花を贈る時、わざわざ伝えるような花言葉ではありません。
本当に憎い相手の場合は意味が合いますが、わざわざ接触しても、嫌な気分になるだけです。
不用意に贈ってしまわないために覚えておく花と言えます。
積極的に使える場面としては、創作でキャラクタの心象風景にしたり、政治活動などで社会悪の描写に使う時などが考えられます。
「憎悪」の花言葉を持つ花
「憎悪」という花言葉を持つ花について、見ていきましょう。
「オレンジのユリ」
ユリ科ユリ属のオレンジ花品種です。
「ユリ」は「威厳」「純潔」「無垢」といった品格の高い花言葉が付きますが、これは「白いユリ」が象徴する「聖母マリア」のイメージです。
一方、「オレンジのユリ」は、陽光の明るいイメージがあり、おおよそ「威厳」とは真逆です。
場違いな場所で騒ぎ立てるのは、大切に積み上げられた価値に対する侮辱行為と言えます。
そのような不逞の輩は当然憎しみの視線で排除されるという事で、「憎悪」という花言葉が付いています。
他に「憎悪」が付く花は「メハジキ(目弾き)」「クロユリ(黒百合)」です。
「憎悪」と似た意味の花言葉を持つ花
「憎悪」に似た意味の花言葉を持つ花は、複数見られます。
「セキチク(石竹)」
ナデシコ科ナデシコ属の一年草です。
花は細かい切れ目が入った花弁を付け、花色は白から赤です。
「憎悪」と近い花言葉は「あなたが嫌いです」で、これは伝説に由来があります。
昔、とある地方に不気味な岩がありました。
岩でありながら風や声を出すため、人々は恐れ「悪魔が宿っている」と噂しました。
これを聞きつけたのが豪傑の「島田時主」です。
岩の前に来て、噂通りであると知るや、矢を射かけました。
並の矢なら傷も付けられないところ、剛力の時主が放った矢は、深々と岩に突き刺さったのです。
これ以降、岩はただの岩になり、声も風も起きなくなりました。
深く刺さった矢は、誰が抜く事も出来ずそのままになっていましたが、やがて根付いて咲いたのが「セキチク」だったのです。
矢を射かけるほどですから、嫌いと思い憎んだのは間違いないでしょう。
他の花言葉は「才能」「大胆」「至急」「純愛」「お見舞い」「女性の美」と、統一性がありません。
良い意味で贈りたい時は、誤解を与えないよう、カードなどで送る言葉をはっきりさせましょう。
「ホウセンカ(鳳仙花)」
ツリフネソウ科ツリフネソウ属の一年草です。
原種の花色は赤ですが、園芸品種は白から赤まで様々です。
その後実る果実は、弾けて種子を遠くへ飛ばします。
この性質を激しい拒絶に喩え、「私に触れないで」という花言葉が付きました。
「憎悪」する相手には、触れられるのも嫌ですから、意味が近い花言葉と言えるでしょう。
他に「憎悪」が連想出来る花として、「アザミ」に「触れないで」、「黒いバラ」に「貴方を呪う」、「ロベリア」の「悪意」という花言葉が付きます。
まとめ
「憎悪」という花言葉を持つ花は「オレンジのユリ」「メハジキ」「クロユリ」です。
似た意味の花言葉を持つ花は「セキチク」「ホウセンカ」「アザミ」「黒いバラ」「ロベリア」などがあります。
現実の人に贈ると誤解を与えやすいため、慎重に扱う花として覚えておくと良いでしょう。